オリックスが今季初のサヨナラ勝ちを収めた。殊勲の紅林弘太郎内野手に、中嶋監督から厳しいキックが飛んだ。尻を押さえて笑顔で痛がる。「試合中にいろいろミスをしてしまったので…。またこれから怒られると思います」。ヒーローらしからぬ表情で頭をかいた。

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同点の延長11回2死二塁。20歳の3番打者はモイネロの初球をたたいて左前へ。先輩たちの手荒い祝福を喜んだが、実はうっぷんがたまっていた。

9回1死満塁から吉田正の2点右前打で土壇場で追いつき、なおサヨナラの好機だったが、一塁走者の紅林は二塁をオーバーランしてアウト。その前には悪送球もしていた。この試合のミスだけではない。「初戦(19日)は僕の失策で(山本)由伸さんの連勝記録を止めてしまった。何とか取り返したかった」とほっと息をついた。

優勝した昨季は主に下位。今季は「打ちたい」と言っていた3番を7試合務める。「(吉田)正尚さんみたいに率は残せないけど、その分、何とか得点圏で結果を残したい」。打線は10日にロッテ佐々木朗に完全試合を食らい、この日も4回まで千賀に完全投球と、相変わらず重たかった。24日には再び佐々木朗との対戦が予想される。この日の粘りを打線復活のきっかけにしたい。【柏原誠】

▽オリックス中嶋監督(完封負け目前で追いついた打線に)「どこまで打たんのかなって思っていたら、最後打ちましたね。良かった。(先頭の代打)野口がしっかり出てくれたのが大きかった。その後ろのバッターがきっちり打ってくれて。理想的でしたね」

▽オリックス吉田正(9回に千賀から右前に同点の2点タイムリー)「チームみんなでつないできたチャンスでしたし、なんとかいいところを抜けてくれてよかったです」