パドレス傘下3Aエルパソを自由契約となった秋山翔吾外野手(34)が30日、マツダスタジアム内で広島入団記者会見を行った。「アメリカでプレーが終わって、いろんな球団と話して、カープにお世話になることを決めた。まずホッとしている」と第一声。期待のバットマンが広島の一員となった。広島で背負う新背番号は「9」となった。

入団の決め手は「選手としてまだまだ長くやりたい。鈴木(球団)本部長から2000本(安打)という言葉が出てきたことにうれしく思った」。あと524本に迫った大台へ、背中を押す言葉が刺さったようだ。さらに松田元球団オーナー(71)からは「ボロボロになっても2000本打ってくれ」とエールも送られた。

ほかにも侍ジャパンでチームメートだった、菊池涼介内野手(32)や会沢翼捕手(34)らも裏では働きかけていたもよう。移籍決断後は「これからよろしく」と声をかけた。

今後の調整については「向こうで事情もあった。日本に帰ってからも普段の練習量は確保できなかった。どれだけあれば戻るか分からないが、早く取り戻せるように気持ちのコントロールをして準備したい」。

チームは1番打者を固定できていない上に、外野3枠も流動的だ。一時は両リーグ最多安打を放っていた西川龍馬外野手(27)も下半身コンディション不良で5日に出場選手登録を抹消された。復帰のメドは立っていない。苦しいチーム状況だが「僕自身、どのチームでも自分のやるべきことは出塁。カープの選手の数字を見ても、安定している選手が多い。もう1回レギュラーを取る」とまずは自己の調整を最優先に置いた。

チームは前日29日、首位ヤクルトに敗れ、自力優勝が消滅した。首位とのゲーム差は今季最大の「14」。日米通算1476安打の巧打者加入が、広島に新たな風を吹かす。

 

◆秋山翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日生まれ。神奈川県出身。横浜創学館-八戸大を経て、10年ドラフト3位で西武入団。15年にプロ野球シーズン最多となる216安打。19年オフに海外FA権を行使してレッズへ移籍し、日本人初の同球団所属選手となった。NPBではベストナイン4度、ゴールデングラブ賞6度。183センチ、86キロ。右投げ左打ち。

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