阪神青柳晃洋投手(28)が6回1失点で11勝目を挙げた。球宴前までに到達したのは03年井川慶、右腕なら79年小林繁以来。「数字はすごいですね。そういうすごい人の名前に入っていけるのはうれしい」。同じ変則サイド右腕の小林は入団時に目標に挙げていただけに、喜びも大きい。

4回まで毎回走者を出し80球を費やしたが「勝たなきゃいけない。(調子は)そんなに悪くはなかった。球数はかかったが、焦ることなくひとつずつ取ろうと」と、丁寧にアウトを重ね、失点は楠本のソロの1点のみで粘った。

4回大山の逆転2ランの瞬間は「打った瞬間(本塁打を)確信して手を上げました」とガッツポーズ。その後2イニングはテンポよく3人ずつで片付けた。5回裏終了後にはバックネットの前で歌手の高橋洋子(55)が人気アニメ、エヴァンゲリオンの「残酷な天使のテーゼ」を熱唱。アニメを見ていたという青柳は「生で聞けてよかったです」と、目の前で歌う姿にパワーをもらった。

新型コロナウイルス陽性で開幕から3週間遅れての11勝。防御率(1・37)、勝率(9割1分7厘)と圧倒的な数字で3冠を突っ走っている。後半戦もさらにエースとしてチームを上位へ浮上させる。【石橋隆雄】

○…2番手浜地がやり返した。3点リードの7回に登板。3者凡退に抑えてバトンをつないだ。前回の20日広島戦では、7回途中から登板して1/3回を4安打3失点。今季2敗目を喫していた。「すごく緊張しました。前回登板の経験を生かすも殺すも、これからの自分次第。自分の中で意味のあるものにしていきたいと思っているので、その第1歩として、今日はいい投球ができてよかった」と振り返った。

▽阪神岩貞(8回に登板し、1回無安打無失点)「野手のみんながいい流れを持ってきてくれたので、いい雰囲気の中で投げることができました。今日のような投球を続けられるように、またしっかり準備したい」

▼青柳が今季11勝目を挙げ、5月14日DeNA戦から8連勝。青柳は昨年5~8月に8連勝しており、2年続けて8連勝は11、12年吉見(中日=10連勝→8連勝)以来。阪神では47、48年梶岡(9連勝→8連勝)52、53年藤村隆(9連勝→9連勝)以来、69年ぶり球団3人目。

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