楽天辛島航投手(31)が地元・福岡で6回途中1失点で今季5勝目を挙げ、チームの連敗をストップした。

初回から援護を受け5回まで無失点投球を披露。6回、デスパイネにソロを浴びるものの、その1点にとどめた。対ソフトバンクの白星は19年5月以来、3年4カ月ぶり。負けたら自力V消滅の危機に、ベテラン左腕の大きな白星でチームは再び貯金1とし、Aクラス争いに踏みとどまった。

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ピンチを背負うと、左腕の研ぎ澄まされた集中力がここぞで発揮された。初回に1点先制の援護を受けた辛島が、最後までリードを守り抜いた。2回1死二塁、グラシアルを遊ゴロ、牧原大を一ゴロに打ち取った。4回には2死一、二塁とし、グラシアルの打席。カウント1-2と追い込むと、最後は外角低めのチェンジアップがさえ渡る。バットを誘い空振り三振に仕留めた。「タイミングが合ってたし、バランスが良かったし、うまく制球できていました」。強気の投球を披露した。

前回登板オリックス戦(8月31日)では6失点を喫し、4回途中でKO。中6日でのマウンドだった。「フォームを見直してどこが悪かったか意識してやってきた」と映像を見返しながら、自身の投球感覚と擦り合わせて修正。「まずは自分自身がしっかりできることをやっていければいい。いいピッチングをして、勝つことが1番。もう勝つしかないんで、どこが相手でも」。覚悟は十分だった。

2点差とリードを広げ迎えた5回には、好守に助けられた。1死一塁で周東に右前打。三塁進塁を狙う一走・甲斐を、右翼・渡辺佳がレーザービームでタッチアウト。6回にデスパイネにソロ弾こそ浴び、この回途中で降板も継投で逃げ切った。ソフトバンク戦での白星は、19年5月以来3年4カ月ぶり。石井GM兼監督も「今日は結果からみた内容というより、内容からみても結果がついてくるような部分がすごく多かった」と激賞した。負ければ自力優勝消滅の危機を救う勝利。ベテラン左腕がもたらした。【栗田成芳】

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