スコアラー的打撃指導だ! 阪神2軍打撃コーチに就任する山崎憲晴氏(35)が4日、高知県内で就任会見を開いた。19年に現役引退後は22年まで球団スコアラーとして従事。3年間、裏方としてチームを客観的に見てきた。その経験を武器に、打撃コーチに抜てきされた。配球論や、得意不得意コースの研究など、スコアラーとしてつちかった経験を還元する。秋季キャンプ第2クールの5日から指導に入る。背番号は「75」と発表された。

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3年間、外から見てきたスコアラーとしての経験が、山崎2軍打撃コーチの武器であり、財産だ。19年に現役を引退し、客観的に試合を見てきた。

「正直、発見することだらけだった」

見るものすべてが新鮮に映った。

「(選手の)立場によって言うことも変えないといけない。毎日レギュラーで出ている人と、2軍から上がってきて1打席しかない人とでは言えること、伝えられることが変わってくる」。裏方として選手と密に会話を重ね、その人に応じた接し方を重視してきた。

■配球は「すごく大事なピース」

距離感だけでなく、知識も培った。「配球面もいろいろ勉強した。配球を読めるようになるのも(打撃において)すごく大事なピースだと思う」。ある種傾向が出やすい“配球”というものの重要性を強調した。

「天才しか打てない、センスだけでというのはちょっと違う。(狙いを)絞ることで可能性が上がるなら配球は重要」。センスで劣る選手には理論で不足を補う心意気だ。

■「僕にしかできないやり方で」

「正直打撃コーチという立場で僕の実績は物足りないと思っているファンの方はたくさんいると思う。僕はこの3年間スコアラーとして積み上げたものと、僕にしかできないやり方で選手をサポートしていけたらなと思っている」。謙遜気味だが決意表明は力強かった。【前山慎治】

◆山崎憲晴(やまざき・のりはる)1986年(昭61)12月13日生まれ、静岡県出身。埼玉栄-横浜商大を経て08年ドラフト3位で横浜(現DeNA)入団。17年オフに戦力外通告を受け、トライアウトを経て阪神入団。19年に現役引退し、20年からは阪神球団のスコアラーとして勤務。通算成績は446試合、175安打、6本塁打、58打点、打率2割1分8厘。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。スペイン語会話という、異色の特技を持つ。