阪神佐藤輝明内野手(23)が20日、志願の特守で体をいじめ抜いた。高知・安芸での秋季キャンプ最終クール2日目。前日19日に背中の張りで途中離脱した個別練習の三塁ノックを完遂した。前夜に平田勝男ヘッドコーチ(63)に頼み込んで、一夜明けのリベンジを敢行。右手ひとさし指の負傷にも負けなかった。岡田彰布監督(64)から体力不足を指摘される男が、強烈なイメチェン!? を印象づけた。

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佐藤輝はひたすら白球と向き合っていた。安芸市営球場のサブグラウンドで、午後3時から始まった三塁特守。50分を過ぎたところで、ともにノックを受けていた板山が終了。そこから約10分間の延長戦が待っていた。ノッカー馬場内野守備走塁コーチのテンポは乱れない。膝に手を突く時間は、限りなく少なかった。

「おいおいおい、それじゃダメ!」「ナイスだぞ、テル!」。背後でぴったりマークする平田ヘッドコーチのゲキにも背中を押された。「乗せてくれたんでありがたかった。鍛えられましたね」。特守は約1時間で終了。捕球の際に右手ひとさし指を負傷するアクシデントもあったが、問題ない。

前日19日は背中に張りを感じ、特守を途中離脱。その夜の夕食前、平田ヘッドコーチに「特守に入れてください」と志願したという。岡田監督から「リタイアしたらあかんわな。ノックの数も受けれないということやんか」と厳しい言葉を受けていた男が、今まで以上に強いアクションを起こした。

「(19日は)全部できなかったんで、リベンジですね」。特守の後には400メートル走。当初は3本の予定が、目標タイムをクリアできず計4本を走った。気合のフルメニュー消化。体力不足克服へ、佐藤輝が変わり始めている。

指揮官は「そらあ、変わらんとあかんからのお」と満足しない。「キャンプも終わりやからなあ。オフの間にどれぐらいやってるかやろ」。来季三塁、クリーンアップとして不動の主軸を務め上げるため、意識改革の火はついた。【中野椋】

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