オリックスのベテラン勢が23日、引退を発表した日本ハム金子千尋投手(39)に惜別の言葉を贈った。

守護神の平野佳寿投手(39)、セットアッパーの比嘉幹貴投手(40)、T-岡田外野手(34)は、金子が18年オフに日本ハムに移籍するまで苦楽をともにした。最多奪三振以外の投手のタイトルを総なめにし、沢村賞を受賞した14年に代表される無双の姿を知るだけに、平野佳は「日本で一番いい先発のピッチャーだと思って一緒にやっていたので、それはうれしかったですし、楽しかったです」と最高の賛辞で僚友を語った。

金子は13年は自己最多10完投、10、13年は200回以上の投球回を記録。「自分から降板することのない、最後まで1人で投げきることを理想としてやっている投手」と平野佳が振り返れば、比嘉も「金子が投げる日はブルペンで暇していました。すごい投手でした。いろんな引き出しを持っている人なので、今後いい指導者になるのでは」と明かした。救援陣を助ける先発投手だった。

T-岡田は19年5月8日に金子から、区切りの1000安打を放った。「うれしかったし、誇れることでもあるのかなと。ぼくの野球人生の中の1ページですけど、感慨深いものではありますね」と懐かしんだ。

頼れる大エースで、金子が投げる試合は落とせないという緊張感がチームメートの成長につながった。そこに姿はなくとも、オリックスの2年連続リーグ制覇、26年ぶりの日本一に間接的に貢献。まさに大黒柱だった。同い年の平野佳は「もう少しぼくは頑張って現役やって、どこかでまたユニホーム一緒に着られたらいいなと思います」と、2人の野球人生が再び重なる日を待つ。【堀まどか】