さあ、サバイバルゴングだ! 阪神岡田彰布監督(65)の就任後初実戦となる紅白戦が11日正午から、1軍キャンプ地の沖縄・宜野座で行われる。

第1試合は1軍メンバーを中心に6イニング制で、第2試合は2軍メンバーを中心に4イニング制で、計2試合10イニングが組まれた。指揮官は1軍当落線上の高山俊外野手(29)に猛ゲキ。鬼モード突入の指揮官が、入れ替えを懸けた仁義なき戦いを厳しくさばく。

   ◇   ◇   ◇

開幕スタメン、1軍生き残りをかけたゴングが鳴る。11日に岡田監督の就任後初実戦となる紅白戦を実施。1軍選手中心のゲームが6イニング、その後昇格を狙う2軍選手中心の試合を4イニングで行う。結果次第で入れ替えの可能性もあるサバイバルが始まる。

「見極め」をキャンプのテーマに掲げる指揮官は、戦力の選定作業を本格化。中でも今回の紅白戦で真価を問うのが8年目の高山だ。この日の特打を見守った指揮官は厳しく指摘した。

岡田監督 (昨年の)11月は絶好調やったけど、2月に入って『全然アカン』みたいなことを今岡(打撃コーチ)に(話していて)なあ。“悩めるナントカ”みたいな。力を入れている割にボールが飛ばない。音が悪いやんか。

三塁ベンチ付近から高山に声をかけ、身ぶり手ぶりで助言を送った。「遠くに飛ばしたろうと思って、(ボールを)のぞき込むようにして(バットを下から)持ち上げてばっかりやからな」。アッパースイングを矯正し「極端に矯正せんと直らん」とスピンをかける打法を伝授した。

高山は9日のシート打撃で加治屋と大竹の直球系に差し込まれて凡退。「あの詰まりようはショックやと思うけどな」と苦笑い。「今岡(コーチ)に聞いたんや。何やっとんのやって。2月入って『全然打てません』言うから、『全然打てません』じゃあかんやないかって」。16年に136安打を記録し、新人王を獲得した実力を認めるがゆえに歯がゆい。「今になってなあ、こんだけ悩んで、昨日も正座してノートに書いとったから、よっぽど重症やと思ったよ、(ドームの)中でよ。今岡と。正座してノートにチェックしとったから。そんな悩みながらな。紅白戦も始まるこの時期にやったらあかんやろ」。練習後は室内で臨時コーチの鳥谷氏と数十分にわたり、現状について相談している様子も見受けられた。

12日は1、2軍合同で9イニング制の紅白戦が1試合、行われる。平田ヘッドコーチは「明日打った選手を使おうかと言うことになるかもしれない」とコメント。高山も11日の結果次第で出場機会が与えられず、2軍落ちとなる可能性もある。背番号9は「実戦になるので結果を求めてやりたい」と気合を込めた。きっかけをつかみ、はい上がるか、それとも…。野球人生をかけた、大一番になるかもしれない。【古財稜明】

○…沖縄・宜野座キャンプの午前中に行われた投内連係で、挟殺プレーの練習に時間を割いた。指揮官は「(一、三塁から)去年はあんまりピッチャーカットせえへんかったらしいやんか」と指摘。一塁走者が二盗を企図した際に、捕手からの二塁送球をピッチャーがカットして、三塁走者を挟みにいくランダウンプレーの動きを確認。「一、三塁を二、三塁にしてもええから、絶対に点をやらないという考えやんか」と説明した。

【関連記事】阪神ニュース一覧