歴史に残る1発をきっかけに正捕手へと駆け上がる。

日本ハム清水優心捕手(26)が2日、エスコンフィールドで初めて実施された紅白戦に、紅組の「4番DH」で出場。2回に“新球場1号”となる左越えソロを放った。2月25日のオープン初戦ではサヨナラ二塁打。アピールを続け、FA移籍で加入した伏見、昨季81試合出場の宇佐見がリードする正捕手争いに、割って入る。

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開幕投手から、清水が記念すべき1号をたたき込んだ。2回先頭で迎えた第1打席。1ストライクから加藤貴の内角高めチェンジアップに反応した。打球はぐんぐん伸びて、左翼席前に設置された真新しいブルペンに吸い込まれた。「とにかく結果を出すことしか考えてなかった。一番いい形で結果が出せた」。紅白戦とはいえ、ベンチに引き揚げる際は、思わず笑みがこぼれた。

捕手として守備でも地道に仕事をこなした。5回からマスクをかぶり生田目、宮内、北山の3投手をリードし、主力組の白組相手に5イニング無失点。「打つ方だけでなくピッチャーとのコミュニケーションも大事。少しでも助けながら僕は信用を勝ち取っていかないと」と気を引き締めた。

沖縄・名護キャンプは2軍スタート。動画配信されていた1軍キャンプを見て「ピリッとした雰囲気に、ここで野球をしないと野球選手としてご飯を食べていけないと思った」。自らの尻をたたき、2軍調整だったベテラン宮西らと無我夢中で汗をかいた。その姿が新庄監督に響き「練習への姿勢を見て決めた」と、2月21日に1軍合流。25日のオープン戦初戦でサヨナラ二塁打を放ち、北海道に戻っては新球場1号と、着実に結果を出してきた。

現在は経験豊富な伏見、宇佐見の2人が開幕正捕手有力候補だが、あきらめてはいない。「キャンプ終盤から、だいぶ打撃が良くなっている。でも実戦で長く続けていかないと意味がない。まだ開幕まで1カ月もある。次戦で2号を打つ気持ちでやっていかないと」。21年は100試合出場も、昨季は30試合と出場機会が激減した。今季で9年目。チャンスをつかむため、1球1プレーに、全力で向き合い続ける。【永野高輔】

○…加藤貴之投手が新球場エスコンフィールドで初めて行われた紅白戦で白組の先発として登板した。3回45球を投げ、被安打3、無四死球、5奪三振、1失点の内容だった。2回には清水に左翼への本塁打を浴びたが「打ったバッターを褒めたい」と新球場での“初アーチ”をたたえた。「フライが上がるとホームランになっちゃうのは仕方ない。自分で解決策を見つけたい」と語った。

○…ドラフト6位の宮内春輝投手(26=日本製紙石巻)が、紅組の5番手で8回に登板し、1回無安打無失点と好投した。新球場での初登板に「マウンドが硬くて投げやすかった。意外と傾斜もあって良かった」と振り返った。投球内容については「2人目(の打者)みたいに、何もしないで3ボールになるようなシーンは、なくしていけるようにしたい」と反省した。

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