最大風速20メートル超のマリン風にもソフトバンク東浜巨投手(32)は粘り強く腕を振り続けた。8回に味方打線が4点を取って逆転。「最後に力を振り絞れたのは大きかった」。その裏もマウンドに上がって今季自身最多となる117球を投げた。最後の1球は渾身(こんしん)の147キロの直球。2死二塁から代打佐藤都のバットは空を切った。

3勝目を手にした東浜はヒーローインタビューに呼ばれ照れ笑いだった。「序盤から走者を出して、投球のリズムが悪く、ダメな失点をして…」。初回に先制を許すと、4回にも失点。さらに柳田の4号ソロで1点差とした直後の6回にも2死二塁から岡に左前適時打を許した。終盤の逆転劇で白星をプレゼントしてくれた打撃陣に「野手のみなさんが打ってくれて。感謝しかない」と最敬礼した。「今までに経験したことない風」という強風での登板。マウンドでは何度もバランスを崩しかけたが、10安打を打たれながら3失点。粘り強さの証明ともいえた。

2戦連続延長戦で16人の投手をつぎ込んでいただけに、藤本監督も「3点取られたけど十分に粘った。東浜がよく頑張ってくれた」とたたえた。背番号「16」の粘投でチームは引き分けを挟んで連勝。しっかりフォローの風に乗って行きたいところだ。」

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