脳腫瘍のため、18日に28歳の若さで亡くなった元阪神外野手の横田慎太郎さんの葬儀・告別式が22日、生まれ故郷の鹿児島・日置市内で営まれた。

阪神百北(ももきた)幸司球団社長(62)ら多くの関係者や友人知人が参列。阪神OB会長でYouTubeチャンネルの「川藤部屋」で一緒に活動してきた川藤幸三氏(74)は涙ながらに弔辞を読んだ。

◆阪神川藤幸三OB会長弔辞

弔辞。何で今ここに立ち、これを読んでいるのかと思う。悔しいなあ。でもな。慎の方がよっぽど、もっともっと悔しいよな。無念だよな。

横田慎太郎の最初の印象は、金本監督時代の1軍に抜てきされた、あの時。最近にはない、生きのいい純朴な野球少年が出てきたなと思うとった。大股な走り、体の割にコンパクトなバッティング、また肩の強さが、いまだに脳裏に焼き付いてる。打てなくなったら落ち込む割には、持ち前の明るさで、切り替えが早く、次の目標に向かうヤツやな。

やっと、野球が分かってきたころ、せっかくいい時やったのに。その後、縁あって一緒に仕事をするようになった。野球の話になると熱く語る慎を見て、まだまだ野球に対する思いが強いやと思った。

ワシは雑やのに、何でも丁寧に物事をやる慎太郎。合う度にしっかり仕事をやろうと、必死に食らい付いてきた。その姿がかわいかった。

この老いぼれのオヤジを、よう面倒見てくれた。本当にありがたい。もっと、もっと野球談議をしたかった。野球以外にもやりたいことがたくさんあったと思う。親より先に逝くのは、親不孝かもしれんけど、慎が大事な時間をご両親、ご姉弟と過ごしたことは、親孝行やと思うぞ、ワシは。

慎よ、いずれまた、会おうな。その時に、あの素晴らしいバックホーム、ワシに見せてくれよ。ありがとう。ゆっくり休めよ。川藤幸三