今季6勝を挙げているサブマリン右腕、日本ハム鈴木健矢投手(25)が2軍戦でリスタートを切った。9回に約1カ月ぶりの実戦登板。1回2安打1失点という内容だったが、試合で投げられたことが収穫だ。

鈴木 ちょっと感覚は、つかんできたかなと。(9回2死一、三塁で打たれた)右前適時打も、ちょっと投げミスではあるんですけど、詰まらせて(野手の)間(を抜けた打球)ではあった。そこを、もうちょい微調整という感じではあるかなと。

結果をポジティブに受け止めていた。

前回登板は1軍公式戦の7月17日西武戦(ベルーナドーム)だった。球宴前最後の試合の先発を任されたが、1回0/3を投げて4安打4失点で降板。2登板連続で2回持たずという内容で2軍再調整となった。その時は「もう野球を見たくないくらいでした」と、精神的に打ちのめされていたという。

今季は中継ぎでスタートしながら途中で先発へ配置転換され、中5日や中4日もこなしながら奮闘してきたが、徐々に心身とも疲弊した。体重は約5キロ減り、直球の球速も徐々に落ちて「118とかもあった」。変化球と変わらない球速となり、間合いやテンポを意識しても打者のタイミングを外すことが難しい状態に陥ったことが、苦しむ一因となっていた。そのため、2軍合流後は全ての面でリセットすることが最優先課題だった。

鈴木 (2軍では)最初の10日間くらいは投げなかった。トレーニングとランニングをして、コンディショニングをメインにやっていました。

7月いっぱいは投げることを控え、精神面と肉体面を両方回復させることに専念。徐々に見るのも嫌だった野球と再び向き合えるようになった。

鈴木 1軍の試合とかも見てて「やっぱ戻りたい」とか「そこで投げたい」っていう気持ちはすごいあったんですけど、できないもどかしさというか、逆にモヤモヤしているみたいな。

そんな気持ちを野球にぶつけられるようになったのが8月に入ってから。ブルペン投球を再開し、体重も落ちた分を取り戻して開幕時の79キロまで戻した。そして、落ちた球速も取り戻そうと励んできたのが、実戦から離れて過ごしたこの1カ月間だった。

この日は最速130キロをマーク。「だいたい130前後ぐらいに平均をしたい」。勝ち星を重ねていた時期の投球スタイルに戻すことが、最優先課題に変わった今は「ちょっと前向きになりました」。空白の1カ月を経て戦う舞台に帰ってきたサブマリン右腕は「これから徐々に感覚を取り戻したい」。しっかりと前を向いて話した。【木下大輔】

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