阪神岩崎優投手(32)が、背番号24のユニホームとともに甲子園の中心で3度宙に舞った。

2点リードの9回に登板。1死から坂本に左越えの1発を浴びたが、リードを死守。最後は北村を遊飛に仕留め、左手のグラブを突き上げた。虎ナインが一目散に集結。球場全体が歓喜に包まれた。

「ホッとしました。ひと言で言えば『うれしい』になりますけど、それだけでは言い表せないです」

7月18日、同期入団の阪神OB横田慎太郎さんが脳腫瘍のため28歳でこの世を去った。この日は「横田の思いも背負ってお願いしました」と、現役時代に横田さんが登場曲で使用していたゆずの「栄光の架橋」をバックに登場し、虎党も大合唱で背中を押した。岩貞が中心となり、現役時代のユニホームを鹿児島の実家から拝借。盟友とともに、歓喜の瞬間を味わった。

帰宅時や車の中、トレーニング中。岩崎は今でもふと横田さんを思い返すという。「(頭の)どこかにいて。『頑張らないといけないな』とさせてくれる」。追悼試合の7月25日巨人戦では岩崎が2点リードの9回を無失点。マウンドではウイニングボールを天に掲げ、お立ち台では「最終的に一番いい報告ができるように」と誓いを立てた。。思いは実り、「本当にこういう形になってよかった」と胸をなで下ろした。

10年目の今季はセットアッパーから始まり、湯浅の離脱で5月から守護神に定着。この日でリーグトップタイの32セーブ。MVP級の活躍で、若い投手陣を引っ張った。天国で見守る友へ、最高の「アレ」を届けた。【古財稜明】

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