高卒3年目の日本ハム根本悠楓投手(20)が、5回2/3を2安打無失点、自己最多8三振を奪う快投で2勝目を挙げた。自身の誕生日の翌日にプロデビューしている21年目のソフトバンク左腕、和田毅(42)と投げ合い、白星をつかんだ。8月17日の前回登板で左足首に打球を受け離脱。1カ月ぶりの登板で結果を出し、チームを3連勝に導いた。

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根本がちょっぴり大人の投球で、2勝目を挙げた。「最初の方は真っすぐはすごい良くて、でも変化球ストライク入らなくて」と、2回1死から3連続四死球で満塁のピンチを招いた。この回は辛うじて無失点に抑え、ずるずる引きずらなかった。3回1死一塁から柳田を外角低めのスライダーで空振り三振、続く4番近藤は、アウトローへの直球で見逃し三振と、好打者を連続で切って取った。

走者が出た後のちょっとした重心のかけ違いに気づき、自分で修正した。「前にクイックで、ちょっと急いで投げちゃう感じだった。今回もそんな感じだったので少しためて投げるようにして良くなった」。今季初登板初勝利を挙げた10日西武戦での経験を思い返し微調整。許した安打は3回の周東のバント安打と6回の柳町の左前打のみと、安定した投球を披露した。

年の差22歳という、大先輩左腕とのマッチアップを制した。自身の誕生日は03年3月31日。和田は翌日の4月1日近鉄戦でデビューしていた。「自分が生まれたぐらいに初登板してるんですよね。すごいなって。トレーニングとか、すごくやっていると思うので、やることをちゃんとやって自分も長い間やれるようになりたい」と思い描いた。

後輩の奮闘も背中を押した。苫小牧中央の後輩で広島ドラフト1位の斉藤が2日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で7回5安打2失点と好投。「僕は1年目の時はそんなに長く投げられなかった。刺激になる」。通算5勝目はまだ、スタートライン。弟分の手本になれるよう、貪欲に白星を積み重ねていく。

新庄監督は「四球が3つ。もっともっといいピッチングできると思うんですよね。もったいないところありましたよ。コツをつかめば、2桁勝てる」と期待。成功体験の中から課題を見つけ克服し、大投手への階段を、上がっていく。【永野高輔】