ソフトバンクは16日、藤本博史監督(59)が今季限りで退任すると発表した。2年契約2年目の今季はレギュラーシーズン3位に終わり、この日CSファーストステージでの敗退が決定。指揮を執った2年間はいずれもリーグ優勝、日本一を逃した。17日にペイペイドームで退任会見を行う。後任は小久保裕紀2軍監督(52)が昇格。常勝軍団の再建へ、コーチ陣も刷新して再出発する。

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藤本監督が今季限りで退任する。この日のCSファーストステージ第3戦でロッテに逆転サヨナラ負け。2年契約の2年目で後藤芳光球団社長兼オーナー代行(60)は「この2年間非常によくやってくれた。もちろん藤本監督には感謝しております。2年契約ですけども、今後のことについてはまたお話しするということで」と話すにとどめたが、藤本監督は背番号「81」のユニホームを脱ぐことが決まった。後任は小久保2軍監督が昇格する。

球団OBの小久保2軍監督は20年オフに入閣し、21年は1軍ヘッドコーチを務めた。22年からはファームで若鷹を指導。今季は3年ぶり14度目となるウエスタン・リーグ優勝を決め、ファーム日本選手権でも日本一に輝いた。現在はみやざきフェニックス・リーグの指揮を執っている。

現役時代はホークスの黄金期を支え、ダイエーでは00年から3年間選手会長。引退後は侍ジャパンの監督に就任し17年WBCでは4強に導いた。愛のある厳しい指導で、球界のレジェンドに常勝軍団の再建を託すことになった。

南海出身の藤本監督は21年オフから工藤公康前監督の後を受けて2軍監督から昇格した。就任1年目の昨季は優勝マジック「1」としながら、リーグ最終戦でV逸。屈辱を胸に就任2年目を迎えたが、最終的にオリックスには15・5ゲーム差を離された。オフには総額80億円(推定)を超える大補強でチーム強化を図りながら、雪辱は果たせず。来季は1軍から4軍まで首脳陣を大刷新して反撃に挑むとみられる。

今季は球団54年ぶりの12連敗も経験したソフトバンク。小久保ホークスとして生まれ変わり、再び栄光を取り戻す。

◆小久保裕紀(こくぼ・ひろき)1971年(昭46)10月8日、和歌山県生まれ。星林-青学大を経て93年ドラフト2位でダイエー入団。95年本塁打王、97年打点王。03年オフに無償トレードで巨人移籍。07年にFAでソフトバンクに復帰し、12年に現役引退。通算2057試合出場で2041安打、413本塁打、1304打点、打率2割7分3厘。青学時代に92年バルセロナ五輪で銅メダル。13年10月から17年WBCまで侍ジャパン監督。21年からソフトバンク2軍監督を務める。現役時代は182センチ、87キロ。右投げ右打ち。

◆藤本博史(ふじもと・ひろし)1963年(昭38)11月8日、大阪府生まれ。天理から81年ドラフト4位で南海入団。ダイエー時代の90年7月7日の日本ハム戦でサイクル安打を達成。98年途中にオリックスに移籍し、同年に引退。通算1103試合出場で715安打、105本塁打、419打点、打率2割3分5厘。引退後は解説者などを務め、11年に2軍打撃コーチとしてソフトバンクに復帰。1軍打撃コーチや2軍監督を務め、22年から1軍監督。現役時代は184センチ、92キロ。右投げ右打ち。

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