甲子園でもナカジマジックがさく裂した。5回に1点を勝ち越し、なおも2死一、二塁。2番宗佑磨内野手(27)がフルカウントと粘り8球目、伊藤将の142キロ直球を中堅ははじき返した。「追い込まれていたので、なんとか前に飛ばそうと思っていましたし、いいところに打球が飛んでくれてよかったです」。今シリーズ初安打となる2点適時二塁打に、ベースの上で両手を突き上げた。

第1、2戦とスタメン出場するも8打数無安打。それでも打順を6番から2番に上げて起用された。この日も第2打席まで快音は響かなかったが、中嶋監督の起用に粘りで応えた。指揮官も5回の猛攻に「つないでつないでというのがスタイルですので、いいつなぎをしてくれたと思います」とたたえた。

DH制のない甲子園に場所を移したが、29日の第2戦から7人の打順を入れ替えた。5回の好機も無死一塁から7番若月にエンドランのサインを出し、中前打によって生まれたもの。頓宮の同点ソロでつかみかけた流れを離さない中嶋監督の采配が光った。終わってみれば1点差の勝利。指揮官は「しびれるという試合。本当の意味でしびれました。本当に死力を尽くした」と出し切った。

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