森下、盗塁王狙え! 阪神OBの赤星憲広氏(47)が来季2年目の阪神森下翔太外野手(23)に盗塁の勧めだ。来春の阪神宜野座キャンプに臨時コーチとして参加する赤星氏は「森下はもっと走れるはず」とキッパリ。このほど行われたイベント後に自身のプランを述べ、連覇を狙う阪神の“新戦力”とさせたい考えを示した。

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「森下くんはもっと走れると思います。走者に出たときの走力とか見ていたら、そう思う。今季の盗塁1個というのはいかにも少ないでしょう。2桁はいけると思うし、28個で盗塁王なんだから、走れれば、そこも狙えるかもしれない」

現役時代、盗塁のスペシャリストとして鳴らした赤星氏からすれば、ルーキーイヤーを過ごした森下の様子は歯がゆかった様子。2年連続盗塁王・近本まで意識して、話した。

来季の打順は未定だが岡田監督の期待度から考えて森下が来季も3番とすれば、そこで盗塁を狙っていく意味は大きいという。

「バッテリーは1、2番が出塁すれば盗塁させないように集中していく。だけど3番が出てもそういう警戒は解く場合が多い」

そこで森下が走れば、相手のプレッシャーも大きくなる。4番を打つ大山悠輔は今季、四球を多く選んだように球を見極めるようになった。森下が走るチャンスも増えることになり、さらに盗塁成功で一塁が空けば、大山の四球もさらに増え、チャンスも膨らんでいく形になるというのだ。

「去年はできなかったし、今回は盗塁について、どう考えているのか聞ければいい。その上、どこまでできるのか見極めたい気持ちはあります」

昨春も臨時コーチとして3日間、キャンプに参加したが森下は1軍にいなかった。右足に肉離れを起こし、2軍(うるま市)で練習していたためで赤星氏は1日だけ2軍に行ったものの、まだ走塁練習はしておらず、そんな話にならなかったという。

連覇を狙う阪神だが野手に関しては目立った補強はなし。岡田監督は若手の成長を期待しているが森下に盗塁という武器が備われば新たな“補強”と言えるかもしれない。【編集委員・高原寿夫】