“侍土産”を飛躍の土台にする。日本ハム根本悠楓投手(20)が11月30日、北海道・北広島市内の球団事務所で300万円増の年俸1600万円で契約更改した。来季はシーズンを通して先発ローテで回ることを目標に掲げた左腕は、11月に招集された侍ジャパンでの活動中に西武隅田からチェンジアップを伝授された。オフの間に新たな武器を磨いて、ステップアップすることを誓った。(金額は推定)

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今季3勝の根本は300万円アップを勝ち取っても、控えめだった。「(シーズン)最初が全然良くなくて。後半に良くなったんですけど、もう少し早く(1軍に)上がって1年を過ごしたかったなぁと思ったので、今年は全然ダメなシーズンでした」。球団からは8月以降に挙げた白星を評価されたが、自己採点は厳しかった。

来季は「先発ローテに入って1年間、回ること」が目標だ。そのためのレベルアップへのヒントを、侍ジャパンから持ち帰っていた。「西武ライオンズの隅田さんからチェンジアップを教えてもらいました。自分はあまり得意じゃない。隅田さんの投球を見ていたら得意そうだなと思って教えてもらいました」。思い切って21年ドラ1左腕の懐に飛び込み、苦手克服への奥義を請うていた。

もともと投げていたチェンジアップとは、全く違った。「自分は“かける”感じだったけど、それが“抜く”イメージ」。チェンジアップと似たようなボールの回転と軌道をするフォークを投げる根本にとっては「抜いて違う球種っぽくしたい」とクリアしたい課題で、今オフは意欲的に習得に励む予定。「来年までに使えるようになれば、だいぶ投球の幅が広がる」という手応えも十分だ。

来季は新加入する山崎福や新人細野も含めて、左の先発争いが激しさを増すと周囲は見ている。だが、侍ジャパンでも結果を残した根本は「う~ん、そうですね…まあ、あんまり意識せず。自分のピッチングができれば、たぶん(先発ローテに)入れると思う」と自信あり。4年目を迎える道産子左腕がチェンジアップを磨き直し、先発陣を引っ張る。【木下大輔】

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