メガゴジラが元祖ゴジラの手によって覚醒する。巨人は30日、元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(49)が、宮崎春季キャンプで臨時コーチを務めることを発表した。2月10日から13日まで。6年ぶり4度目の就任に、身長2メートルで背番号55を受け継ぐ秋広優人内野手(21)がゴジラ塾入門を志願した。今季高卒4年目で、同氏が打率3割、30本塁打で飛躍した年と同じタイミング。「メガゴジラ&ゴジラ」が宮崎を舞台に共演し、破壊的打撃を目覚めさせる。

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ゴジラ“襲来”に鼓動が高鳴った。秋広は、背番号55の先輩である松井氏の臨時コーチ就任に「お話しできるだけで幸せな時間というか、貴重な時間。見て何かしら教えていただけることがあればしっかり吸収したい」と直接指導を志願した。同氏が春季キャンプで臨時コーチを務めるのは18年以来6年ぶりで、高卒4年目の秋広にとっては初めて。今季、開花のきっかけをつかみ取る。

背番号の重みを十分に理解し「恥じないように」と繰り返した。「55番を背負って恥じないようにというのは付けた最初から思っている」とその番号にしかない意味を言い聞かせてきた。自身の目には、09年に日本人選手初のワールドシリーズMVPに輝いたヤンキースの「55」が焼き付いている。「そういう選手が付けてた番号を自分が背負わせてもらっている」。55番でつながるゴジラとメガゴジラが、ついにグラウンドで共演を果たす。

4年目の覚醒が迫っている。今季左翼に本格挑戦。定位置確保には打つことが絶対条件になる。前回18年にゴジラ塾で指導を受けた岡本和は、4年目に「3割・30本・100打点」を達成。4年目の96年に打率3割1分4厘、38本塁打と飛躍した松井氏と同じタイミングで追いかけた。昨季自己最多の121試合に出場して10本塁打だった秋広は「1軍の経験はすごく大事になってくる」と、助走をつけて巨人の強打者の法則に続く。

昨年5月に、始球式で東京ドームを訪れた同氏から「これからのジャイアンツを背負って欲しい」とエールを受けた。1軍での出場機会を伸ばしたが、オフは、球団行事などを寝坊で遅刻したことが話題先行。プレー以外で注目された。「恥ずかしいことだと思う。良い方で取り上げてもらえるように気を引き締めたい」。覚醒前夜。メガゴジラが、目を覚ます。【黒須亮】

 

ゴジラとメガゴジラ

★愛称 松井氏は星稜時代にゴジラの呼び名が浸透。規格外のパワーに、プロ入り後も代名詞として呼ばれ続けた。秋広は1年目の21年3月2日、長嶋終身名誉監督と対面した際、松井氏と対比して将来性に太鼓判を押されたことで翌3日付紙面に「メガゴジラ」の見出しが掲載された。

★背番号55 松井氏が92年ドラフト1位で巨人入団した際、王貞治氏が持つシーズン最多記録(当時)の55本塁打を更新するような選手になって欲しいという期待を込められて背負った。その活躍によって各球団が強打者に与える傾向が生まれた。同じ高卒で入団し身長2メートルの秋広も受け継いだ。ちなみに足のサイズは松井氏が28センチで、秋広は32センチと大きく上回っている。

★寝坊キャラ? 若手時代から朝寝坊をたびたび報じられた松井氏。ただ寝坊すると打つという“遅刻伝説”も広がった。秋広も朝が弱く、このオフ中に2度犯しており、阿部監督から“最後通告”を言い渡された。

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