ソフトバンク栗原陵矢内野手(27)が20日、宮崎春季キャンプのランチ特打で逆方向へ柵越えを連発した。左ケージから35スイング中、8本のアーチ。うち5本はバックスクリーン左から左中間に放り込んだ。現状では三塁レギュラーを確約されていない立場。3月2日のオープン戦から三塁定位置取りへ、アピールを期す。流し打ち習得から、目標に掲げるシーズン100打点も視野に入れる。

   ◇   ◇   ◇

鮮やかな放物線を描いた打球が逆方向に飛んでいく。栗原が午後のランチ特打で快音を連発させた。右の打撃投手が務めた左ケージから35スイング中、8本の柵越え。うち5本はバックスクリーン左から左中間に放り込んだ。

逆方向を意識したスイングを試し、「いい角度でバットを出しながら(ボールを)つかまえれば逆方向に飛んでいく」と手応え。一方で打ち損じもあり「まだまだ。ドライブがかかっている」と今後の修正点も忘れなかった。

昨季は96試合に出場。打率2割3分9厘、13本塁打、49打点をマークした。放った本塁打のうち12本が引っ張り方向で中越えが1本。左方向には意外にもノーアーチだった。

オフに山川がFA加入し、近藤、柳田を含めて打線に厚みが増した。打順こそ不透明だが、栗原が定位置を獲得すれば、その後ろの「6番」を任される可能性は高い。ポイントゲッター役の期待もかかり「(走者を)かえす。打点にはこだわる」と力を込める。

流し打ちをマスターすれば、得点圏での確実性も上がってくる。21年の自己最多77打点を更新するシーズン100打点が、今年こだわる目標だ。

一から争う立場にある。「三塁手一本」を公言も、レギュラーの確約はされていない。米アリゾナで自主トレをともにした井上としのぎ削っている最中だ。3月2日からは正念場となるオープン戦がスタートする。「結果はもちろん出したい」。昨年はオープン戦で首位打者に輝き、開幕4番の座を射止めた。今季はかわいがっている後輩との定位置争いを制し、開幕スタメンに名乗りを上げる。

直近2年間はケガに泣かされ、不本意なシーズンが続く。「今年は1年間頑張らないといけない」。巻き返しの24年シーズンへ、背番号24は雪辱の思いも胸に秘めている。【佐藤究】

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧