脱ピート・ローズ弾! 阪神森下翔太外野手(23)が26日、昨年型のバットで守護神候補の岩崎から柵越えを連発した。沖縄・宜野座のランチタイム。調整のためマウンドに上がった左腕の速球を捉え、左中間へ1発を放り込んだ。ファウルを挟み、今度は左翼越えアーチ。「徐々に良い形にはなってきている」と手応えをかみしめた。

今春から新たにメジャー最多安打のピート・ローズ型のこん棒型バットを使用。ただ、キャンプ最終クールからは昨季モデルでも試行錯誤してきた。前日25日の中日戦では、その昨季モデルで中越え二塁打を放っており、打球に角度がついてきている。この日、新型バットは「使っていないですね」とグラウンドでも見られなかった。「(打球が)上がらんやろ? あのバットじゃ」と岡田監督も指摘してきたバット論争に終止符かと思いきや、本人は首を横に振った。

「またバットが届くので、ちょっと試してみてっていう感じです。体の使い方を身につければ、バットは関係なくなると思う。しっかり体を使えるようになってきたら、いろんなバットで打てるようになると思うので、とりあえず試している感じです」

チャレンジはやめない。とはいえ、ピート・ローズ型から距離を置いて結果が出たのも事実。打撃投手相手のフリー打撃では何度も柵越えを放ってきたが、現役投手の生きた球を捉えての本塁打はキャンプ初だ。今季“1号&2号”に「やってきたことをブレずにやれば、やれる自信はある」と力強く言った。

西勇を相手にしても安打性の当たりを3本放った。岩崎と合わせて計20スイングし、安打性は6本。コースと球種を申告された上での投球だが「西さんと岩崎さんは、プロ野球の中でも結果を出して抑えている方。そういう投手と対戦できたことは経験として良かった」と収穫を得た。27日でキャンプは打ち上げ。森下がようやく上昇気流に乗ってきた。【中野椋】

◆森下バットメモ 今オフから使っていたのが、メジャー最多4256安打のピートローズが使っていたモデル。極小のグリップエンドでグリップ自体は太め。グリップから先端にかけての湾曲が少ない「こん棒型」で、一般的に短距離打者の使用が多いとされる。グリップが太いため、よりしっかり握り込む必要があり、体幹を使って振り抜く必要がある。昨季まで使っていたモデルはグリップが細め。先端にかけての湾曲があり、グリップエンドも大きい。強く握り込む必要もないため、トップの重みを感じながら、しなりを使ってスイングすることができる。

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