雨上がりのハマスタは気温10度に満たなかった。冬に戻ったようでも、DeNA小園健太投手(20)の心は熱かった。

「ゾーンの中で強い球を投げる」。誓いを貫いた。ロッテ先頭の岡に6球全てストレート勝負。4球で追い込んでから「力んで」引っかけ、フルカウント。だが、折れない。高め147キロで右飛に仕留めた。

1年ぶりの本拠地マウンドを前に、頭は冷静だった。前回、前々回と1イニング目に乱れた。「初回の入りが課題」と自覚。捕手松尾の「思い切り腕を振れ」のジェスチャーに真っすぐを突っ込み続けた。2死から安打を許すも後続を断ち0発進。2回も続いた力みはカーブで取りのぞいた。松尾の判断もあり、3回から多投。「カーブが縦振りで投げられた」ことでフォーム修正。2回まで49球が3回、4回は6球ずつ。4回4安打無失点に抑えた。

松尾のアシストは寒さものぞいてくれた。試合前に使い捨てカイロを渡され、イニング間に指先を温めた。「僕の意見も聞いた上で意見を言ってくれる。すごくやりやすい」とファームから組む相棒に感謝した。

三浦監督は「気持ちがボールにこもっていた」と目を細め、「前進した」と言った。開幕ローテ争いは、開幕投手が決定的な東を筆頭に大貫、平良、ジャクソンは当確。残る2枠を石田健、浜口、中川颯、ケイらと争う激戦だ。甲子園を沸かせたドラ1右腕も3年目。待望の1軍デビューへ「その座を奪い取るというか、目標にやってます」と力強かった。【古川真弥】

【関連記事】DeNAニュース一覧