日本一打線が完全復活! 阪神が今季最多14安打&15得点の大勝で、首位中日を相手に今季初の5連勝を飾った。2回に打者一巡の猛攻を仕掛け、20年8月6日巨人戦(甲子園)以来4年ぶりの1イニング7得点。18日まで10戦連続2得点止まりだった打線の快音連発に、岡田彰布監督(66)も「1週間くらい前がウソみたいですけどね」と顔をほころばせた。中日に0・5ゲーム差まで迫り、今季初の2位に浮上。21日の首位攻防戦に勝てば、いよいよ1位返り咲きや!

次から次にホームを踏んで、ベンチへ帰ってくる選手たち。迎え入れる岡田監督もついつい顔をほころばせた。「なんと言ったらええか。なんか1週間くらい前がウソみたいですけどね」。ほんの2日前、18日巨人戦(甲子園)まで10戦連続の2得点以下。そんな素直な言葉が漏れるのも無理はない。

1-0の2回表に2点を奪われ逆転されたが、意に介さなかった。直後の2回裏、6番ノイジーの四球から9番の投手大竹まで3連打を放ってまず同点。適時打はもちろん、犠飛に四球、敵失での出塁とつなぎにつないで、スコアボードに「7」の数字をともした。20年8月6日巨人戦(甲子園)の8回以来となる1イニング7得点。歓声を上げる虎党に休む間を与えなかった。

3戦連続の2ケタ安打で、昨季の日本一打線が完全復活の気配。指揮官は「昨日もこれで吹っ切れたんじゃないかといったんだけど、そういう感じでね」と喜んだが、笑顔になった理由はもう一つある。「もうね、やっと3人が2割の大台に乗ったので、良かったですね」。クリーンアップを打つ森下、大山、佐藤輝がやっとそろって打率2割台に浮上。「大台」のジョークも飛ばして一安心だ。

今季初の先発全員安打で、ともに今季最多の14安打15得点。快音が目立ったが、一方で武器も取り戻していた。2回の猛攻ではノイジーが2四球、中野が1四球を選び、終わってみれば今季1試合最多の計7奪四球。「タイミングを取れるようになって、ボールを見極められるようになったというか、そこが一番」と指揮官も納得顔だ。昨季は12球団トップの494四球を選んだ打線。「四球も絡んで、去年のいい時の得点パターンというか。そういう攻撃ができましたね」。これで鬼に金棒、虎に翼だ。

今季初の5連勝で、首位中日に0・5ゲーム差の2位に浮上。今日にも首位に立つ。とはいえ、岡田監督は地に足が着いている。「まだそれは1試合1試合やるだけなので。そんな簡単じゃないですね」。お目覚めの猛虎打線とともに、淡々と首位奪取をもくろむ。【磯綾乃】

▼阪神が今季最多で23年5月14日DeNA戦(甲子園)での15得点以来の15得点。今季の最多は7得点で、4月5日ヤクルト戦(神宮)と同19日中日戦(甲子園)の2度記録していた。また、本塁打なしでの15得点は球団では2リーグ制後6度目。コツコツとつないで大勝につなげた。

▼阪神は2回に7得点。1イニング7得点は今季最多で、20年8月6日巨人戦(甲子園)8回の7得点以来、4年ぶり。今季の1イニング最多は3月31日巨人戦(東京ドーム)8回の3得点で、大幅に更新した。

▼阪神は先発全員安打。23年5月24日ヤクルト戦(神宮)以来で、今季初となった。14安打も今季最多。

▼阪神が今季初の2位浮上。21日に阪神が中日に勝つと首位に立つ。

【動画】阪神前川右京が今季初打点、右前へしぶとく運ぶ2点打 岡田彰布監督もニッコリ