西武の背番号54、黒木優太投手(31)は平然と準備を始め、平然と整えた。

今季25試合目の登板だ。でも登板がなくても肩を作った試合はもっとある。油断の心はない。

高橋光成投手(28)が完封ペースだったこの夜も。「今日の光成だったら(最後まで)行ってくれるかな」と思いつつも。

「もしかしたら(登板が)あるかもしれないっていう心づもりはいつもあるので、しっかり心の準備と体の準備はしてました」

高橋が9回先頭のレイエスに本塁打され、さらに3連打で無死満塁。まだ6点のリードがあったが、流れを止めるべく黒木がマウンドを託された。

その初球、日本ハムの代打水谷に低めカットボールを適時打にされる。のみ込まれるような空気。でも表情は平然と。

「とどめを打たれたとしても、後ろに平良がいるっていう安心感があるので、僕は自分のできることを一生懸命出し切ろうと思って投げました」

続く矢沢を3球連続フォークで併殺打に。その間にもう1点を失ったが、最後は万波を抑えた。高橋は何度も「黒木さんのおかげです」と繰り返した。

オリックスでのプロ1年目から50試合以上に投げた。右肘のトミー・ジョン手術も受けた。経験豊富な右腕の趣味は海釣り。焦らない、慌てない。31歳にして達観ぶりが頼もしい。

球数は7球。失点や自責点は自分には記録されない一方で、点差が開いているからセーブもホールドも付かない。でも。

「ほんとに、光成とチームに勝ちがつかないことが一番あれなので。光成にもチームにも勝ちがついたので良かったと思います」

黒木はそれがうれしい。【金子真仁】

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