阪神が連敗を2で止め、首位に再浮上した。藤川球児監督(45)は就任167試合目で通算100勝に到達。巨人原前監督に並ぶセ・リーグ最速での節目の勝利となった。
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まさかの反応に、恩師は驚いた。昨年11月の高知・安芸キャンプ。2年連続で訪問した阪神藤川監督の城北中時代の恩師、上田修身氏(63=元高知商監督)は開口一番、教え子に祝福の言葉をかけた。
「おめでとう」。もちろんそれは、同年のリーグ優勝をねぎらってのもの。「え、何ですか?」。一体何のことか、と言わんばかりに目を丸くする藤川監督。説明すると「終わったことですよ」とあっさりとした言葉が返ってきた。
「今シーズンのことは忘れました。もう次のことですよ、と」。予想外の受け答えに拍子抜けしながらも、上田氏は教え子のそんなすごさを感じていた。
キャンプ中の指揮官の部屋にはコーチ陣にトレーナーやスタッフ、次々と訪れる人は絶えない。窓から練習を見守りながら、的確に指示を出す。それは、中学生の時からあった“資質”だったのかもしれない。「大ざっぱに見えて繊細。人を見て動くし、意外と気がつく。よく観察する方でした」。細部にこだわり、後ろは振り向かない。それが虎を率いる指揮官の戦い方だ。
監督として節目の通算100勝もきっと通過点。前だけを見て、これからもタクトを振る。【磯綾乃】



