WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が日本人初の3団体統一に成功した。
WBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)と3本のベルトを懸けて拳を交え、2回1分24秒、TKO勝ち。19年11月、階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝以来、約2年7カ月ぶりの再戦を制した。
WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が日本人初の3団体統一に成功した。
WBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)と3本のベルトを懸けて拳を交え、2回1分24秒、TKO勝ち。19年11月、階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝以来、約2年7カ月ぶりの再戦を制した。
井上の主な一問一答は以下の通り。
-試合の感想
井上 2年7カ月ぶりのドネアとの再戦。今日、こうして最高の結果を残せたことが満足。最高の日になりました。
-1回左フックをもらった。どういう心境で立て直したか
井上 1回は絶対に取らなければならないと思っていた。左フックを受けたので、それ以上のインパクトを残さないといけない、と。残り10秒の合図で、少しだけエンジンをかけました。
-2回で決めるつもりだった
井上 父には「2回はいかないよ」と言われていた。ドネア自身どれだけダメージあるかわからないから。でも、自分の性格上いってしまわないと(気が済まない)。「いかないよ」と言ったけど、いっていました(笑い)。ふらついていたので、ここで行こうと決めました。
-イメージ通りか
井上 前回もこういうイメージをしていた。今日の左フックも2年7カ月前を思い出させられた瞬間。ピリピリしていました。こういう展開も全然予想していた。激闘も予想していた。いろんなプラン、展開はイメージしていた。
-自身にプレッシャーをかけ続けてきた
井上 やっぱりプレッシャーをかけることでトレーニングや意気込み(に影響する)。こういう発言をしたからにはそこに到達しなければいけない、と。ドネアは実力があるので、不安な面に打ち勝ってやるからこそ、今日の結果だと実感した。ものすごいプレッシャーはありました。
-出方はどうだったか
井上 出方は思い描いていた通り。最初の左フックをもらったことによって、さらに気を引き締めて戦うことができました。
-前のドネアとの違い
井上 体重の戻し方。リングに上がって見た時に体重が戻り切っていないなと思った。同時にスピード重視の作戦でくるのかと思った。
-左フックへのこだわり
井上 特にない。当て返してやろうという気持ちはありましたけど。
-終わった時は
井上 ダウンを取った瞬間、うまくいき過ぎた。夢じゃないかと思った。
-集中力
井上 セコンドの声も聞こえていたが、気を付けろと言われた半面、行かないといけないという気持ちもあった。がむしゃらに行くこともなく乱れることもなく、出すパンチひとつひとつを今でも覚えてるくらい集中していた。
-ドネアへの思い
井上 前回も今回もドネアだったからこそここまで来られた。学生時代に憧れたチャンピオンだからこそ、ここまでの感動を生んだ。この先、4団体統一、もしくは階級を上げる時に誇りにしたい。
-統一のリミットを年内に区切る理由
井上 場合による。いい選択肢を選んでいきたい。先は何年もあるので、ちょっとゆっくりしながら会長と父と決めていきたい。
-次の具体的な目標
井上 あと1歩リーチかかったので、まずはバンタム級4団体統一を中心に考えています。
◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。元アマ選手の父真吾さんの影響で小学1年から競技を開始。相模原青陵高時代にアマ7冠。12年7月にプロ転向。国内最速(当時)6戦目で世界王座(WBC世界ライトフライ級)奪取。14年12月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し、史上最速(当時)の8戦目で2階級制覇。18年5月にWBA世界バンタム級王座を獲得し、国内最速(当時)の16戦目で3階級制覇。19年5月にWBA、IBF世界バンタム級王者に。同年11月、WBSSバンタム級優勝。家族は夫人と1男2女。身長164・5センチの右ボクサーファイター。