「ラブユー東京」「夜の銀狐」「足手まとい」「さそり座の女」などムード歌謡の第一人者として知られた作曲家の故中川博之氏(享年77)の三回忌記念コンサートが9日、東京・上原の古賀政男音楽博物館けやきホールで開催された。

 昨今の殺伐とした社会に中川メロディーと感謝の気持ちを再認識してもらおうと、レコード会社の枠を超え同氏の隠れた名曲「愛をありがとう」(作詞・高畠じゅん子)が、昨年末から順次さまざまなバージョンの競作でCD発売されている。

 この日は同曲を競作で歌うデュエットバージョンの松平直樹(マヒナスターズ)と桜井まり、演歌の松原のぶえ、シャンソンの佐々木秀実、ムード歌謡の北川大介、R&Bのジェロ、歌謡コーラスの純烈、フォークデュオのもりきこの7アーティストが一堂に会して出演。それぞれのバージョンで同曲を披露した。

 夫人で作詞家の高畠じゅん子氏は「多くの歌手の方に賛同していただき感激しています。あらためて中川博之の曲の力を感じました」と話した。