シンガー・ソングライター小田和正(69)がホスト役を務める、恒例のTBS系音楽番組「クリスマスの約束」が、今年も23日深夜に放送された。

 今月中旬に、東京・赤坂BLITZで行われた収録を取材した。01年の第1回放送時に出演依頼をして以来、小田にとっても念願だった宇多田ヒカルとの初共演のほか、スキマスイッチ、スターダストレビュー根本要、TRICERATOPS和田唱、いきものがかり水野良樹、松たか子、JUJUが、次々とこの夜限りのコラボを披露して、仕事とはいえ、一足早いクリスマスを堪能させてもらった。

 収録では、小田のこだわりと人柄を感じた。毎年、番組のために数カ月前から構想を練り、準備していく。今年は10月末まで、自身の全国ツアーが続いていたが、すぐに切り替えて準備を進めてきたという。本番でも、一度演奏してみて、少しでも納得がいかないと「もう1回やりましょう」とか、「もう1回やったら、もっとよくなると思うんだよね」と各アーティストとのコラボを1つずつ仕上げていった。(聞いているこちら側としては、ぜいたくなコラボを何度も聞けてうれしいのですが)

 また、各アーティストとのトークも人柄がにじみ出ていておもしろかった。基本、小田は照れ屋だ。普段はほとんどインタビューなどは受けないが、ライブ取材後にあいさつに伺うと「今日はどうだった?」と聞いては「ありがとう。また来て聞いてね」と毎度照れくさそうにする。

 この日も、宇多田から「作詞家としても、小田さんは身近な言葉を使っていたり、とても共感しています」と伝えられると「なんか、言わせちゃったみたいだね」と本気で照れていた。その姿に、宇多田も収録を振り返るツイッターで「収録と打ち上げでは小田さんの愛されっぷり(出演者やスタッフの皆さんからの)を感じてなんだか幸せな気持ちになりました」と感想をつづっていた。

 今秋、さだまさし(64)に小田について話を聞いたことがあった。さだは「小田さんはコーラスから何まで緻密にやられる方。僕たち後輩からみても若いし、体力もすごい。それでいておちゃめなところもある。そのエバーグリーンなところが魅力で、見習いたい」と話してくれた。まさにその言葉を改めて実感した、今年の「クリスマスの約束」だった。