ロサンゼルスを拠点に活動する桃井かおり(65)が4日、神戸市内で、盟友のイッセー尾形(65)と夫婦を演じた映画「ふたりの旅路」(6月24日から全国順次公開)の会見を行い、今作を機に「半分引退」で、15年6月に結婚した夫との老後を楽しむプランを語った。

 最近、映画5作に立て続けに出演した。「桃井かおり史上、例にないラッシュ」といい、それも今作が最後になり「ひと区切り」となることから、今後の暮らし向きについて言及した。

 「老後を楽しみにしてたんですけど、定年(60歳)が伸びたので」と、余生と考えていた60歳を過ぎて、仕事に恵まれた現状を独特のいい回しで表現。今作も2年前にラトビア、神戸市内のロケで撮影を終えており、現在はその宣伝活動に従事。この日、ラトビアでの上映後、帰国したばかりだった。

 近況について「もうね、半分リタイアしてるんですよ。定年後の老後を楽しみにしてたんです。『夫婦ってのは老後がいいのよ』って言われたりもするし。今後は、仕事したり、老後したりですね。仕事しなければリタイアになるし」とも報告した。

 奔放なイメージもあるが、最近は「もうほんと、テレビ局のプロデューサーにも全然こびてませんから」と言い、純粋に仕事と向き合っているという。「非常に清純に仕事ができるいい時間なんですよ、この年頃って。たぶん前よりも野心なく、清純に仕事ができていますね」

 女優としての魂が動く作品なら、今後も活動をしたい方針のようで、その意味では、今作への力の入れようも半端ではない。

 今作はラトビア出身のマーリス・マルティンソーンス監督の新作で、桃井と3度目のタッグ。阪神大震災で全てを失った主人公が、ラトビアの首都リガ市内で行われた着物ショーに参加。そこで震災で行方不明になっていた夫(イッセー尾形)と再会を果たし、生きる力を取り戻す物語。

 桃井は実際にリガ市内に夫とも訪れたといい「老後の夫婦が歩くのにとてもいい場所」。ロケ先の空気にも魅了され、今作について「これはささやかに、いや、正しく当てたい(ヒットさせたい)。宣伝してくれるなら、桃井引退って書いてもいいわよ」と、身を削ったPRまでしていた。