タレントのデヴィ夫人(77)が、事務所の元経理担当で無職の辻村秀一郎容疑者(60)が横領容疑で逮捕された事件をめぐり、辻村容疑者を派遣していた東京都新宿区にある税理士事務所と新たにトラブルが生じているとし、「名誉毀損(きそん)で訴えてもいい」と強気の姿勢を見せた。

 デヴィ夫人は1日放送のフジテレビ系「バイキング」にVTR出演。辻村容疑者がデヴィ夫人が代表を務める芸能事務所「オフィス・デヴィ・スカルノ」(東京都渋谷区)の運営費から2011年から16年にかけて1億7000万円を着服した容疑で逮捕された事件が世間を騒がせているが、デヴィ夫人の発言について、辻村容疑者を派遣していた税理士事務所が抗議しているという。

 番組の説明によれば、デヴィ夫人は今回の横領事件について、報道陣に向けて辻村容疑者を派遣した税理士事務所にも監督責任があると批判。これを受け事務所側は、同容疑者は事件当時はデヴィ夫人と契約していたため責任はないとし、デヴィ夫人の「虚偽の発言」を指摘し、刑事告訴を検討しているという。辻村容疑者は11年2月、同税理士事務所から派遣されたが、13年からは個人契約に切り替えて週3日勤務していた。

 デヴィ夫人は税理士事務所から送られた警告書に「非常に無礼で失礼な手紙だと思う」とコメント。さらに私信であるはずの文面が、自身が受け取る前にすでに報道陣に明かされていたことを指摘し「場合によっては私の方で逆に名誉毀損で訴えてもいい」とした。

 この問題について徳原晴雨弁護士は「(税理士事務所側の)監督責任は場合によってはあり得るとは思う。途中で(契約が)変わったとはいえ、途中までの時点の損害は請求できる可能性はある。ただ、派遣された(デヴィ夫人)側が(お金を)預けっぱなしっぱなしにしていたとか、ちょっと管理が足りなかったとなると、全部請求は難しいかもしれない」と語った。