演歌歌手走裕介(44)が9日、東京・渋谷区の「シェ松尾 青山サロン」で、クリスマスディナーショーを行った。昼夜2公演で約200人を動員する。

 昼公演では、09年発売のデビュー曲「流氷の駅」、今年7月発売の「男の駅」など14曲を熱唱した。

 「男の駅」は今年2月に亡くなった師匠の作曲家船村徹さん(享年84)の遺作。内弟子生活を10年間務めた走は「船村先生独特のメロディーやリズムが、たたみかけるような曲です」と、大切に歌い続けたいと誓った。

 船村氏が亡くなって、あらためて存在の大きさを感じているという。「父親みたいな存在でした。歌手としても、道に迷いそうな時には正しい道を示してくれる灯台みたいな存在です」。船村氏は5500曲以上を世に送り出し、戦後の歌謡史を支えてきた。「それらの曲を歌っていくことが供養にもなる。多くの曲を歌っていきたい」。

 来年は10周年の節目。新曲「北のひとり星」を2月7日に発売することが決まっている。船村氏の長男の作曲家蔦将包氏が手がけた曲で、カップリングでは1979年(昭54)発売で、船村氏が作曲し歌唱もした「居酒屋『津軽』」をカバーする。「これまで同様、1日1日を大切にしていき、この曲をヒットさせてNHK紅白歌合戦を目指したい。その後は日本武道館でコンサートをやりたい」と、来年以降の目標を掲げた。

 北海道網走市出身者として初の演歌歌手で、同市の観光大使を務める走。「白銀の大地が生んだ『不屈のランナー』」のニックネームを持つだけに、10周年の節目の年も全力疾走で歌い続ける。