2月11日の大阪松竹座公演で師匠の名跡「4代目桂春団治」を襲名する桂春之輔(69)、昨年紫綬褒章を受章した宮川大助(68)花子(63)らが10日午前、商売繁盛の神様として知られる大阪・今宮戎神社の「宝恵(ほえ)かご行列」に参加した。

 商売の街・大阪で250年以上続く伝統行事。「十日戎」を経て、大阪の正月が明ける。吉例のかごに乗り、ミナミを練った春之輔は、松竹座前の道頓堀・戎橋で「今宮戎への参詣で、なつかしい場所です。(やんちゃだった)高校生の頃は、そこのポリボックスにお世話になったこともあります」と、笑わせながら、聴衆に話し掛けた。

 いまだ「やんちゃ」の面影を残す春之輔は、これに先立つ出発式でも、ちゃめっ気たっぷりなあいさつ。

 「芸のためなら女房も泣かす-と言われたんは初代(春団治)です。昨年、名前を継ぐことが決まりまして、大きな大きな名前のはなし家さんから、『継ぐんならまず、女の整理しいや』と、ありがたいお言葉をいただきました」

 上方落語界では昨年末から、大御所・6代桂文枝の不倫騒動が起こっているが、ウイットに富んだネタを入れ込み、襲名への抱負を口にした。

 また、夫婦でかごに乗った大助・花子は、「かぐや姫」をテーマにした和装。花子によると「朝5時に起きて着付けした」と言い、ファンの前では「生駒のかぐや姫です」と自己紹介。さらに、夫の大助を「ディーン・フジオカです」「松坂桃李です」などと紹介して爆笑を奪った。

 夫妻は満面笑みでかごから手を振り、花子は「ありがたい気持ちでいっぱい。みなさんの1年が繁栄いたしますように」と話した。

 今年のかごには、大阪松竹座の「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」(26日まで)に出演中の中村壱太郎(27)、2月1日に同劇場で開幕する人情劇「泣いたらアカンで通天閣」に出演する赤井英和(58)、漫才コンビ「ザ・ぼんち」、NHK連続テレビ小説「わろてんか」でヒロインの妹を演じている堀田真由(19)らが乗った。

 壱太郎は「上方の役者として、たいへんうれしく思います」。里見まさとは「45年で初めてこのお祝い事に参加できました」、ぼんちおさむは「夢の夢でしたね。夢?ですかね?」と感激していた。