タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校104期生の卒業式が1日、兵庫県宝塚市内の同校で行われ、40人が夢への第1歩を踏み出した。40人は、午後からの入団式を経て、4月27日開幕の星組公演「ANOTHER WORLD」「Killer Rouge」で初舞台へ臨む。

 予科、本科と2年にわたり声楽、演劇、日舞、洋舞から基礎的な教養まで、学んできた40人は、16年春に約27倍の競争率を勝ち抜いて入学。首席で卒業した越智愛梨(おち・あいり)さんは、卒業生総代として答辞を読み上げた。

 越智さんは先月半ばの卒業公演だった文化祭でも、オペラ楽曲をソロ歌唱で歌い上げるなど、すでに男役らしい響く声を得ており、答辞も情感たっぷりに「これから続く、宝塚の舞台への道のりを1歩1歩、踏みしめて参ります」と読み、力強く約束した。

 式典後、成績上位4人が取材に応じ、越智さんは、あこがれの先輩に元星組トップで、在位6年を超え“レジェンド”と呼ばれた柚希礼音(ゆずき・れおん)をあげた。「踊りも歌もすてきで、熱くて、すばらしい方。とても尊敬しています。柚希さんのような熱い思いが伝えられる舞台人になりたい」と話した。

 今年は成績上位が首席の越智さんから、石田日向子(いしだ・ひなこ)さん、石山弘華(いしやま・ひろか)さんまで3人が男役志望。石田さんは「立っているだけで存在感のある瀬奈じゅんさんのようになりたい」と言い、石山さんは姿月あさとにあこがれており「姿月さんのようなダイナミックな男役さんになりたいです」。

 また、成績4番目でただ1人、娘役志望の岩崎容子(いわさき・ようこ)さんは「あこがれの舞台に立てると思うと、胸がいっぱい。(元月組トップ娘役の)蒼乃夕妃さんが目標です」と話していた。

 104期生の中には、初舞台公演となる星組のトップ娘役、綺咲愛里(きさき・あいり)の妹、三徳美沙子さん(兵庫県川西市出身)もおり、三徳さんは皆勤賞で表彰された。

 夢へ向かって歩みだした104期生に、創業者一族で、昨年4月から校長に就いた小林公一校長は、昨秋40人と同行した修学旅行の思い出をまじえつつ、平昌(ピョンチャン)五輪での日本選手団の活躍に触れて、エール。小林氏は「多くの日本人メダリストが生まれましたが、メダルリストになれなかったアスリートも、たくさん、たくさん努力をしていた。努力したから夢がかなったわけではない。努力しなければ夢はかなわないということです」と、祝辞を述べた。