X JAPANが11日、東京・Zeppダイバーシティで、再結成10周年記念ライブを行った。

 昨年5月に頸椎(けいつい)人工椎間板置換手術を行ったYOSHIKIにとっては、ライブでのドラム演奏は同3月の英ウェンブリーアリーナ公演以来、約1年ぶりだった。

 ライブ前に取材に応じたYOSHIKIは「首は良くも悪くもない。1から10で10が完璧なら4・5くらい。左手首もしびれている」と説明。痛み止めの薬は「顔がむくむのでやめた」という。

 首に負担の大きい曲は「紅」だと即答。「30年くらい前の曲でしょ。サッカーでも野球でも30年前と同じプレーはできないよ」。将来はiPS細胞を使って「首を入れ替えたい」とジョークを飛ばした。

 この10年は「嵐のようだった」と振り返った。「ファンに感謝。ファンが後押しをしてくれて今がある。恩返しをしたい」と言葉に力を込めた。

 客席数1万人を超える大規模の公演が“定番”だが、Zeppダイバーシティの動員は、前日と合わせて2日間で計5000人。ライブ会場ならではのファンとの距離の近さに「危険なYOSHIKIが戻ってきた気がする」。ニヤリと笑った。

 「危険なYOSHIKI」の言葉通り、約2時間の公演では「紅」「ENDLESS RAIN」など12曲を披露。首を痛めていることが想像できないほど激しいドラムプレイの連続で、満員の会場を何度も沸かせ、最後は客席にダイブまでしてみせた。

 公演中、唯一のMCでは「手術の後はステージに戻って来られるとは夢にも思わなかった。ドラマーとして終わって、歩けて普通の生活ができればと思った。でもここでは終われない。みんなの支えがあってここまで来ることができた。本当に感謝しています。『七転び八起き』というけど、『100転び101起き』で、また転んでも支えておくれ。俺たちもお前たちを支えるから」と、時折、涙声になりながら総立ちのファンに訴えた。

 14、21日には米国の野外フェス「コーチェラ・フェスティバル」に出演する。ギタリストSUGIZOのビザ取得が遅れていたが、この日夜に無事に取れた。「明日、米国に乗り込みます。(亡くなった)TAIJIとhideがホログラムで出る演出があります。そして、出る順番はトリ。光栄だし、ものすごいプレッシャーを背負っている。旋風を巻き起こしたい」と力強く宣言した。