綾野剛(36)が11日、東京・ディフア有明で行われた主演映画「パンク侍、斬られて候」(石井岳龍監督、30日公開)完成披露試写会で、共演の北川景子(31)が口にした「猿は女性に響く」の一言を「名言」とたたえた。

 レッドカーペットを歩いて入場した綾野は、映画の魅力を聞かれ「1人1人のパンク魂を持ち込んだのが、持ち味。北川さんも美しさというパンク魂を持っている」と口にした。

 北川は「猿を抱っこするシーンがあるんですが…猿が、こんなにかわいいのかと思った。癒やされた。猿は女性に響く」と女性の観客に呼び掛けて笑みを浮かべた。その言葉を聞いた綾野は「猿は女性に響く…名言。(主要な役では女性は北川1人だが)パンク精神を持っている方なので、我々と対等な関係で作品を1ミリでも良くすることを考えていた」と北川をたたえ、北川も笑みを浮かべた。

 「パンク侍、斬られて候」は、芥川賞作家の町田康氏が04年に発表した同名小説の実写化作品。とある街道に“超人的剣客”を自称する浪人・掛十之進(綾野)が現れ、巡礼の物乞いを突如、切りつけ「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語り、世紀のハッタリ合戦を展開していく物語。

 綾野は、映画を一言で言い表すと? と聞かれると「宣伝不可能な映画」と評した。この日の舞台あいさつ前にも取材を受けたといい「取材させていただき、記者の方に、お時間いただいたにもかかわらず、最後の一言…と言われたら(言うべき言葉は)宣伝じゃないですか? それが『宣伝不可能な映画』と言って…正直、本当に困ります」と苦笑いした。その上で「言葉で説明することで、全てが解決する映画が、すばらしいかと言えば(言葉で説明できないのが)本来、あるべき映画の姿」と語り、客席から拍手を浴びた。

 この日は東出昌大(30)、染谷将太(25)、浅野忠信(44)、国村隼(62)、豊川悦司(56)、若葉竜也(29)、近藤公園(39)、脚本の宮藤官九郎(47)が登壇。試写会には2万通の応募があったという。【村上幸将】