お笑いトリオ「ロバート」の20周年企画「ロバート激ヤバ祭~トゥトゥトゥ・版画・邪念0・ナイロンDJ・接しやすいサークル・大集合SP~」が大阪・梅田ロフト5階で14日まで開催されている。これまで生まれた人気コントキャラクターが集結し、ロバートの20年分のネタが詰まった世界。メンバーの秋山竜次(40)に、節目を迎えた「ロバート」について聞いた。

☆  ☆  ☆  

98年、秋山と馬場裕之(40)のコンビに山本博(40)が加わって結成された。20年を振り返り、秋山は「ちょうど20周年ぐらいですね。長くもなく短くもなく。だいたい20周年って、このぐらいだろうなと思う感じでした」。

デビュー2年目でフジテレビ系の深夜コント番組「新しい波8」に出演。独特な世界観のコントで頭角を現し、3年目で同局の人気番組「はねるのトびら」レギュラーを勝ち取った。

「入り口は順調かなと思っていた」という秋山だが「(レギュラーを持つのが)早い分、逆に困りました。求められてるものに対し引き出しが無いから、面白い返しをできないまま終わった時がいっぱいあった」。苦悩の経験も糧に、腕を磨き続けてきた。

「コントネタを作るのは20年間、徹底してやっていました。コントはきついけど、出来上がってウケたりして返ってくるものがあると、気持ちいいですね」。

ロバートのネタ作りは「僕が思いついたものをある程度広げて、相方(2人)と最後に完成させる。(比重は)100%僕ですね」。そんな秋山にとって、相方2人の存在とは-。

「博はものすごく特殊で、ものすごい一般の人の目線で突っ込むなかなか珍しいタイプ。僕がぶっ飛んだキャラが多い分、あいつの表情ツッコミみたいなのが、もう絶妙に生きているんでしょうね」。

秋山が1人で同じネタをやるにも、山本がいないと笑いが弱いのだという。

「博のただただ普通の、巻き込まれているような目つきの顔と『…なんだー?』というひと言があるだけで、見やすくなるのがいいんでしょうね。あれがもっと、グイグイ来られる感じになると、ちょっとコントの世界に合わないかも」。

名前、身長、体形、ファッションと「何もかもが、最も『標準』の位置にいる人間。だからおもしろいんですよ。20年たつと、あいつの普通さが、ものすごい大事だと分かる。人として、いて欲しい」。

馬場については「ほんとにもう、自由過ぎる。あいつはもうね…『パセリ』みたいなもんですかね。メインのボケもやるわけじゃないし、あんまりボケるっていう感じではないんですけど、飾り付けでポンとあると、なんか彩りが良くなるというか。無くても話は進められる。でも、あった方がいいというね」

馬場がパセリである、もう1つの理由もある。「何がでかいかって、幼なじみというところですね」。幼稚園から互いを知り、山本と出会うNSC(吉本総合芸能学院)東京校にも一緒に入学。「あいつは僕の学生時代の温度も知っている。同じふざけ方でやっていたので」と、無くてはならない存在だった。

相方を「普通」「パセリ」と表現した秋山に、自身の存在も聞いてみると「僕が『ロバート』なんじゃないですか。ボン・ジョヴィみたいなもんですよ。僕が『ロバート』です」。

節目を迎え心配することは、馬場がグループ唯一の未婚であること。そして、山本には「最近、僕がちょっとボケたことを完全に見逃したり、気づかないことがある」と心配する。

「違うコンビのツッコミの方が、先に僕を突っ込んでくれる。一応、所属するグループのツッコミに突っ込んで欲しいですね」

全員が40歳を迎え「とにかく、今のまま。現状維持で。何も多く求めないです。今のままでもう10年、このスタイルのままでもう10年。健康に生きていたいですね。そうするとまた、コントが楽しくできる」。これまでと変わらない2人を、秋山は求める。

「20年分のネタをここに詰め込んだ」という「ロバート激ヤバ祭」は、副題にもある「トゥトゥトゥサークル」「小学生版画クラブ」といったロバート・ワールドから、秋山がものまねで使うお面が展示されている「身体ものまね記念館」なども楽しめる。

秋山は「ロバートのコントを一緒に体感して、一緒にネタをやっているような空気になれる。ぶっ飛んだミニ遊園地として、来ていただけると楽しめるんじゃないですか」と、来場を呼びかけた。【奥田隼人】