4月11日に肺炎のため亡くなった漫画「ルパン三世」の原作者モンキー・パンチさん(本名・加藤一彦=かとう・かずひこ、享年81)をしのぶ会が14日、東京・青山葬儀所で行われた。

日本漫画家協会理事長の漫画家、里中満智子氏は故人を「みなさんもご存じの通り本当に穏やかな人でした」とした。「あれだけビックなのにバリアーが全然なくて、いつも穏やかな気持ちでお話しさせてただいたので、まだちょっと実感が湧かないけど、寂しいです」と話した。

また、「漫画であそこまで痛快で悪びれないのをかっこよく描くのはあの時代、勇気がないとできなかった」とし、「絵柄もペンネームも含め、全てが斬新でした。それは今もそう。作品が持っている永遠性で、50年たっても今と同じような受け止められ方で、新しい読者が読んでくれると思います」と話した。

また、先生自身の演出で「ルパン三世」アニメ化の夢をずっともっていたことを明かした。「もっとチャレンジ精神旺盛な作品をやりたかったと思います。だからぜひやっていただきたかった。その点がもったいない。あと少し神様が寿命をくださったらよかったのに」と語った。

次元大介の声を務める声優の小林清志(86)は、「次元は俺の分身みたいなもの。だから小林清志が次元であり、次元が小林清志といった感じになってきた。自分ではそう思っているよ。すばらしい役に巡り会えて役者冥利(みょうり)に尽きるね」と話した。

また、自らしたためた弔辞を報道陣の前で読み上げた。

「ルパンが始まったのが1972年だってよ。最初に会ったときは若かったな。先生も俺も若かった。今、2019年だよ。ずいぶん長いことやってきたな。それなのに俺はまだ生きて、動いてるんだから、しぶといもんだ。先生からいろんなものを教わりました。男の色気、男のかわいらしさ、哀愁、それに子どもっぽさもだ。なんとかわかるんだが、表現するのが難しいぞ。それをやってきたんだから俺も大変だ。ともかく、俺より若いくせに、先に逝きやがって。しようがねえ先生だ。ダメだよ。ダメだよ、先生。残念だ。残念だよ。ご冥福をお祈りします」

「ルパン三世」の初アニメ化から残ったのは小林だけとなった。「結局俺だけ残ったね。俺も頑張らないと。まだまだ大丈夫だから。みんながいいと言えば、もう少しやらせてらうから。期待してくれよ」とアピールした。