歌手アグネス・チャン(64)が26日、都内で、著書「終わらないアグネス論争」(潮出版社)の発売記念イベントを行った。87年に、まだ赤ちゃんだった長男を仕事の現場に子連れ出勤したことが問題視されて起こった論争についての思いを著している。

アグネスは「今、考えると、(当時の女性が)社会に不満がいっぱいあったから論争が起きたのかも。みんな満足していたら起きていなかったと思う。女性が自由に自分の人生の選択があまりできなかった時代だったからいろんな意見が出たと思います」と語った。

さらに「今でも子供を産んだ後に預ける所がなかったり、仕事との両立に苦労しているとか、あるいは子供を産むのをやめなければいけなかったり。大勢います。三十数年前に行動を起こして、世の中がびっくりするのも分かります」と語った。

アグネス論争の当時、夫には「自分のやっていることが正しいと思うなら子育てと人生で証明しなさい」と言われたという。アグネスは「やっていることが子供にためになり、他の女性の未来につながっていくならと、頑張ってやり続けるべきと思った」という。また「子育ては1人ではできない。家族や周りの人、社会の優しい目が大切。それがあったからできた」と語った。

最後は「みんなに読んでほしい。男性の意識改革につながればいい。私の長男、息子たちが読んで、女性の気持ちや問題を理解し、いたわってあげたりしてほしい」。さらに「休暇を取れば、奥さんの大変さも分かるし、赤ちゃんのいとおしさも分かる。ぜひ父親も取ることを義務化してほしい」と語った。小泉進次郎環境大臣も育児休暇を取るとしているが「誰でもチャンスがあれば取ってほしい」とした。