岡江久美子さんは75年にデビュー以来、ドラマ、バラエティー番組などで活躍し、明るく元気なイメージをお茶の間に残した。96年にスタートしたTBS系「はなまるマーケット」では薬丸裕英(54)とのコンビで“朝の顔”として親しまれた。番組終了後も交流を続けたという元番組スタッフらは「誰からも愛されていた」という岡江さんをしのんだ。

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岡江さんは75年にTBS系ドラマ「お美津」の主演でデビューし、女優として数々のテレビドラマ作品に出演した。

代表作の1つといえる同局系の昼の帯ドラマ「愛の」の「天までとどけ」シリーズには、91年から99年にわたって出演。放送開始当時は35歳。何度も病気と闘いながらも、時に厳しく、気丈に明るく8男5女の13人の子どもを育てる専業主婦役を熱演した。夏休みや冬休みなどの期間に放送されたことから学生にも人気が高く、平均視聴率もパート1で12・3%、パート2で14・2%など毎回2ケタを記録するなど、昼ドラとしては高視聴率を記録する人気シリーズとなった。

「天まで-」で演じた若々しく、温かい母親像は岡江さんの代名詞ともなり、その後の出演ドラマでも、数々の母親役を演じた。

また、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」をはじめ、2時間ドラマにも数多く出演した。片岡鶴太郎(65)と夫婦役を演じた土曜ワイド劇場「終着駅」シリーズなど脇を固める存在としても、テレビ東京系「密会の宿」シリーズでの事件を追う旅館のおかみ役など主演としても活躍。明るく、聡明(そうめい)なキャラクターは、演技を通じても多くの人に愛された。