落語家三遊亭円楽(70)が30日、都内でアストラゼネカ主催のセミナー「緊急提言 新型コロナウイルス感染症流行下におけるがん検診の重要性~つづけよう、がん検診~」に出席した。

円楽は18年9月、人間ドックで初期の肺がんと診断。10月に手術を受け、月内の早期復帰を果たした。同セミナーのトークパートに元気な足取りで登場すると、当時を振り返って「心境? そんなものたったの一言でしょう。『ガーン』って。陽気ながん患者ですから」と朗らかに笑った。

ロボット支援手術により身体的負担は少なく、約1週間で高座に戻った。落語の存在が復帰のモチベーションとなり、「まだできるんだといううれしさ。よくぞ(がんを)見つけてくれました」と医師に感謝。肺の5分の1を切除し、息は続きにくくなったが「年も取ってきたし、案外いい間になってきましたよ」と前向きに語った。

円楽は「この商売は定年がない。おかげさまで、27歳で(笑点)レギュラーになって、43年座布団のとりっこやって。そのおかげで世間が覚えてくれた。落語という芸を、日本人の作った最高のエンターテインメントだと分かってもらうために、どこでも呼ばれたら行ってやりたい。あと最低10年はそんな活動をしていきたい」と話した。

この日は「がん検診」をお題に謎掛けを披露。「がん検診と掛けて、下手な芸と解く。(その心は)うけないと手遅れです」。16年に開いた自身の不倫会見でも謎掛けを披露しているだけに、「カメラに向かって謎掛けっていうと、4年前の嫌なこと思い出すんだけど」と苦笑いだった。

今年は、医療機関の最優先事項が新型コロナウイルス対応となったこと、通院を控える人が増えたことなどによりがん検診の受診率が減少。セミナーではがんの早期発見につながる健診の重要性についてトークし、円楽は「早めの検査で年末年始を乗り越えて」と話した。