1月24日に妻の河村真由美さん(享年67)を、翌25日に母の河村治子さん(享年99)を相次いで亡くした上方落語家、6代桂文枝(77)が31日、大阪・天満天神繁昌亭の夜席に出演し、2人が亡くなってから初めての高座を務めた。

この日は、報道陣に一礼して会場入り。弟子らと「新・四つ葉の会」に出演し、演目「ぼやき酒屋」をトリで演じた。事務所担当者によると、文枝はまくらで母と妻の思い出を語ったという。公演後は、車に乗り込み、後部座席の窓を開けて、報道陣に「ありがとうございました」と言って去った。

文枝は、2人を亡くした後、コメントを発表。「人生の中で2日続けて死亡届を書くなんて、思ってもいませんでした」と吐露したが、同時に「でも私は、2人のためにも落語と向き合って、今以上の努力をし、皆様に喜んでいただくよう芸道に励みます。それしか2人に報いる手だてがありません」と決意もにじませていた。

真由美さんは昨年にがんを発症。治子さんは数年前から施設に入所し、老衰で亡くなった。