菅野美穂(43)が5日、東京・よみうりホールで行われた主演映画「明日の食卓」(瀬々敬久監督、28日公開)完成報告会で、2日前の3日の夜、子供がダイニングテーブルに接着剤を真っ白くなるほど塗りたくってしまい、劇中で演じた母親とリンクする思いだったと吐露した。

「明日の食卓」は、椰月美智子氏の同名小説の実写化作品。住むところが違いながら、それぞれが「石橋ユウ」という同名の10歳の息子を持つ3人の母の忙しくも幸せな毎日が、ささいな出来事をきっかけに崩壊し、3人それぞれが無意識に「ユウ」に怒りを向けてしまう物語。11年「ジーン・ワルツ」以来、約10年ぶりに映画に主演した菅野は、神奈川在住で悠宇ら2人の息子を育てつつ、フリーライターの仕事を再開する石橋留美子を演じた。

劇中で、留美子がリビングにビニールプールを入れてビシャビシャに水を飛ばして遊ぶ息子と夫に激怒するシーンがある。自身、5歳の長男と2歳の長女の母親である菅野は、司会から「あんな風に実際の家庭でも怒られたりするんですか?」と聞かれると「プールは、まだないですけど一昨日、洗い物をしていたら、ダイニングテーブルが接着剤で真っ白になっていて」と、子供のいたずらを赤裸々に語った。

「何で、ちょっとしたすき間に、こういうひどいことになるの…みたいな。(接着剤を)ちょっと広げるのは時間、かからないですが、掃除がすごい時間がかかるじゃないですか? このつらさ…涙目になりながら、まずウエットティッシュを水に浸して、きれいに拭き取って、次に乾いたヤツで爪で、かいて取る感じ。(自身が演じた)留美子さんも多分、分かると思う…私のつらさは」

その上で、菅野は「接着剤があったら、そうなるよねと。手の届くところに置いた私が悪いという気持ちと、でも私が今、世界で1番、不幸という気持ちと、両方の気持ち」と苦笑いした。

劇中で大変だったシーンを聞かれると、スーパーで親子で買い物をしたシーンを挙げた。カートを使って遊ぶ息子のうち、悠宇に強烈なげんこつをお見舞いするシーンがあるが、悠宇を演じた外川燎(12)の頭を力を入れて殴ってしまったという。菅野は「親が怒りをぶつけるシーンは、演技でも力が入ったと思う。かわいそうなことがあって…スーパーでのシーンで8時半までに撮影を終え、機材を出さなきゃいけないのに、うまくいかなくて。げんこつのシーン…フリだったのに最後は(力いっぱい)入った。悪かったよ」と謝った。

瀬々監督が「すごい音がしたよな」と突っ込むと、外川は「痛かったです。撮影が終わるとフォローしてくれて、優しかったので」と笑みを浮かべた。