1969年(昭44)のテレビ朝日系アニメ「もーれつア太郎」のニャロメや81年のフジテレビ系「Dr.スランプ アラレちゃん」のニコちゃん大王、88年の同系「キテレツ大百科」のブタゴリラを演じたことで知られる、声優の大竹宏さんが1日、急性心不全のため都内で亡くなった。

90歳だった。所属事務所の81プロデュースが8日、発表した。関係者によると、大竹さんは最近まで元気な様子だったが、体調が急変したという。葬儀は親族のみで8日に営んだ。お別れ会の予定などはないという。

大竹さんは、1932年(昭7)東京都に生まれ、52年に劇団ちどりを主宰。60年代から声優として活動を開始し、69年には大手声優事務所の青二プロダクションの創立メンバーにも名を連ねた。

明るい、にぎやかなテノールから、時にアドリブを繰り出す芸風で、三枚目を演じると真価を発揮。72年のフジテレビ系「マジンガーZ」で演じたボスの登場時のセリフ「ジャンジャジャーン!」も、大竹さんのアドリブと言われている。中でも、はまり役は、67年のTBS版から83年のテレビ朝日版まで、一貫して演じた「パーマン」のパーマン2号こと、チンパンジーのブービーだった。

晩年は後進の育成にも力を注ぎ、声優養成所の講師も務めていた。15年には“声優界のアカデミー賞”第9回声優アワードで功労賞を受賞。スピーチでは当時、83歳だったが「あと17年、現役の声優で頑張りたい。そのために、どうかお仕事をいただければと思います」と100歳まで現役を貫くと宣言していた。