英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻が16日、滞在中の米ニューヨークで2時間以上にわたってパパラッチによる執拗(しつよう)な追跡を受け、危険なカーチェイスに巻き込まれていたことが分かった。17日にMSNBCなど複数のメディアが報じたもので、16日夜ジーグフェルド・ボールルームで行われた妃の慈善活動の功績をたたえるウィメン・オブ・ビジョン賞の授賞式に出席した夫妻が、会場外で待ち伏せしていたバイクなどに乗ったパパラッチ集団から追い回されたという。宿泊先を突き止めるのが目的だったとみられる。車には夫妻の他にメーガン妃の母ドリア・ラグランドさんも同乗していたが、3人にけがなどはなかった。

夫妻の広報担当者は米ピープル誌へ声明で、「昨夜、サセックス公爵節夫妻とラグランドさんは、非常に攻撃的なパパラッチの集団によって、壊滅的なカーチェイスに巻き込まれた」とコメント。パパラッチの追跡は2時間以上にわたり、その間に他の車や歩行者、ニューヨーク市警察官2人を巻き込む複数の交通事故が起きたと非難した。一方、地元メディアはニューヨーク市警察への取材で、今回の夫妻の追跡に関連した事故が起きたという情報はないと伝えている。

授賞式前には夫妻とラングランドさんがそろってレッドカーペットにも登場し、笑顔で写真撮影に応じていた。

ヘンリー王子は、12歳だった1997年に母ダイアナ元妃をパパラッチの追跡が原因の交通事故でなくしており、同じことが繰り返される可能性があったと非難する声が上がり、王子のメンタルヘルスへの影響も心配されている。ニューヨークのエリック・アダム市長は会見で、パパラッチの行為は「無謀で無責任」だと述べ、ダイアナ元妃の死亡事故を思い起こさせるものだったと関係者を非難した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)