大泉洋(50)が13日、東京・新宿ピカデリーで行われた映画「こんにちは、母さん」公開中舞台あいさつで、この日、92歳の誕生日を迎えた山田洋次監督から“寅さん2世”に指名? された。
この日は、観客からの感想がスクリーンに映し出され、トークが展開された。感想の中で「大泉さんのせりふ回し…寅さんを思い出しました」と、山田監督の代表的シリーズ「男はつらいよ」で渥美清さんが演じた、車寅次郎と重なるとの感想があった。
山田監督には、司会から、大泉はどういう俳優か? と質問が出た。同監督は「本当に素晴らしい役者だと思います。主人公にすれば、大泉さんを主人公にすれば、本当に、また別な寅さんみたいな映画が出来るんじゃないか。そういう力を持った俳優さん」と太鼓判を押した。
山田監督は、大泉の存在には以前から注目してきた。15年12月に東京都葛飾区の柴又寅さん記念館がリニューアルされた際「男はつらいよ」の主人公・寅さんを新たに演じて欲しい俳優No.1に大泉の名が挙がったと聞き、その時も「いいんじゃないかな。別な寅さんができるかも知れませんね」と、今回と同じ趣旨の発言をした。18年6月には、自ら脚本を務めたTBS系ドラマ「あにいもうと」に大泉が主演。その際の演技や大泉が所属する演劇ユニット「チームナックス」の舞台などを見て、主演の吉永小百合(78)が演じた神崎福江の息子・昭夫役は、大泉しかいないとオファーした経緯がある。
大泉は、うなずきつつ「(山田監督に)言わせてるんじゃないか? 申し訳ない。そんな、ありがたい言葉をいただきまして」と言い、照れ笑いを浮かべた。司会から「どうやっても、マドンナは小百合さんですかね?」と質問が出ると、すかさず吉永が「マドンナの母です」と即答。これには大泉も「いやいや、マドンナです」と返した。
その流れの中で、山田監督が「彼には、お母さんがいるんですよ。それが小百合さんでね。小百合さんの方が、恋をしちゃう」と先のストーリーを提示した。ただ、その内容は「こんにちは、母さん」の物語、2人が演じた母子関係とほぼ同じで、大泉は「『こんにちは、母さん』と変わらないっぽいですね」と笑った。そして「寅さんは、そういう感じですよね?」と問いかけると、山田監督は「母さんが失恋し、息子の方が、うまく言っちゃう」と「男はつらいよ」シリーズとは、違った方向性の話を展開した。
大泉は司会から、この日の衣装が寅さんを意識したのか? とツッコミを入れられると、爆笑しながら「どう考えても、寅さんに見えないでしょ」と言い返したが、車寅次郎の出で立ちと似た柄ではあり、客席から笑いが起きた。