東京オリンピック(五輪)世代のU-22(22歳以下)日本代表が、同ブラジル代表から金星を挙げた。ブラジル遠征中の14日(日本時間15日)にレシフェで国際親善試合を行い、3-2で逆転勝ちした。MF田中碧(21=川崎F)、MF中山雄太(22=ズウォレ)が計3本のミドルシュート突き刺し、敵地で王国を撃破。残り1年を切った本大会に向けて大きな自信を得た。チームは16日に帰国する。

鮮やかな3発でブラジルを沈めた。先制を許した後の前半28分、田中が右よりから右足ミドル。GKも1歩も動けない強烈な1発で追いつくと、後半7分には逆転弾。ペナルティーエリア手前へこぼれたボールに反応して右足を振り抜き、DFに当たって軌道が変わったボールはゴール右へ吸い込まれた。殊勲の2得点に「いい形で入ってくれた」。続く後半23分も中山がミドルを決め、終盤は退場者を出しながらもPKによる2失点に抑えた。

ブラジルとは5月にトゥーロン国際(フランス)の決勝で対戦し、PK戦にもつれる激闘の末に敗れていた。後半13分から出場したレアル・マドリードのFWロドリゴは試合後「五輪では日本も金メダル候補の1つ」と断言。東京五輪で日本がライバルだと認めた。さらに「勝利以上に学ぶことができた敗戦。今後に生きる」とも。世界のスター候補をもうならせる勝利だった。

横内監督代行は「選手がチームとしてやることを表現し、それが勝ちにつながった」と選手をたたえた。現在A代表を主戦場としているMF堂安やDF冨安、MF久保ら、本大会に向けて今後競争に加わる戦力も大きい。目標に掲げる五輪でのメダル獲得へ、チームは確実に前進している。