日本代表ディフェンス陣が無失点で切り抜けた。国際Aマッチ通算100試合となったDF吉田麻也主将(31=サウサンプトン)が冷静に最終ラインを統率すれば、GK権田修一(30=ポルティモネンセ)は好セーブを連発し、歴代2位タイ(1位は楢崎正剛の7試合)となる5戦連続無失点を記録。チームはW杯予選開幕から4試合連続の完封勝ちとなった。

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何度ピンチを迎えても、日本のゴールネットが揺れることはなかった。前半はホームの大歓声を受けて攻め込む相手に押され気味。同32分には自陣右サイドから崩され、ペナルティーエリア内でシュートを打たれたがGK権田が鋭い反応ではじき、DF吉田が倒れ込みながらクリア。後半23分にはゴール前でパスを受けたFWムルザエフに反転しながらシュートを放たれたが、これも権田がしっかりと反応した。

好セーブ連発の権田は、9月5日のパラグアイ戦から歴代2位タイの5試合連続無失点。日本代表GKでは93年松永成立、11年川島永嗣の記録に並んだ。常に冷静にゴールマウスに立ちふさがった守護神は、前半32分のピンチについて「(吉田)麻也君が寄せてコースを限定してくれたから正面にきた」と感謝し「みんなで成し遂げた完封です」と胸を張った。

日本史上8人目の100試合出場を達成した吉田は「今日はやられそうなシーンがたくさんあった。もっとやれたという思いの方が強い」と反省も口にした。センターバックとしてはDF井原正巳、中沢佑二に次ぐ3人目の大台到達。試合後のゴール裏では森保監督から背番号100のユニホームも贈られ、記念撮影のフラッシュを浴びた。

森保体制になって若返りつつあるチームの中で、30代のベテラン2人の存在が堅守に結びついている。4試合連続完封も、今はまだアジアのW杯2次予選。W杯予選出場数も通算33試合の歴代3位とし、井原の32試合を抜いてDF最多となった吉田は「まだ予選も続きますし、この先ひとつひとつ勝っていくことでW杯は近づいてくる」と気持ちを引き締めた。さらに厳しい戦いとなる最終予選、そしてW杯本戦へ、油断することなく突き進む。