清水エスパルスが15日、ヤン・ヨンソン新監督(57)の指揮で始動した。清水三保グラウンドで行われた練習の前には、約35分間のミーティングを実施し、「competition(競争)」と繰り返した。激しい勝負を要求し、選手全員に練習からレガース(すね当て)の着用を指示。その上で「お互いを尊重し合う中でも競争力、勝負強さが必要になる。ピッチの中でぶつかり合う勝負強さから、競争力が生まれると思う」と話した。

 一方で、「和」の大切さも唱えた。全体練習の前、練習参加選手30人を集めて肩を組み、円陣をつくらせた。そして、指名されたFW鄭大世(33)が「1人1人の1歩が、大きい力になる。レベルアップしよう」と、今季に懸ける思いを伝えたという。シャトルランの体力テストなどを終えた後には、全員でランニング。MF兵働昭弘(35)は「監督は優しさの中に、厳しさもある。チーム内競争でパワーアップすれば、自信が持てる。そういう集団になれれば」と歓迎した。

 昨季J1仙台で8得点を挙げたブラジル人FWクリスラン(25)も、この日から練習生として参加。2年ぶりの復帰となるMF石毛秀樹(23)は「心の中で『ただいま』と言ってグラウンドに入りました。試合に出るために、チャレンジしていきたいです」と話した。2月25日の開幕戦に向けて、選手は横一線のスタートを切った。【保坂恭子】