ベガルタ仙台FW西村拓真(21)が、公式戦では昨年9月23日のセレッソ大阪戦以来10試合ぶりとなるうれしい今季初ゴールを決めた。0-0で迎えた後半29分に、右足でゴールにボールを流し込むと、昨季限りで現役引退した平山相太氏(32)の背番号を手で示してアピール。後半ロスタイムに新潟に同点ゴールを浴び追いつかれたが、ニューヒーローの一撃で貴重な勝ち点1を挙げた。

 久々のゴールで歓喜を爆発させたが、大先輩への感謝の気持ちは忘れなかった。雄たけびを上げながらゴール裏へ駆けだすと、両手で指を9本立て、テレビ解説でスタンドにいた平山氏に向かってゴールパフォーマンス。平山氏は「何のパフォーマンスなんでしょうね?」と首をかしげ、その意図は通じていなかったが、ピッチでねぎらいの気持ちを表現した。

 「ファーストタッチでいいところにボールを置けた。落ち着いて相手が見えていたので決まると思った。着実に成長していることも分かっているので、確率をもっと上げていきたい」と振り返った。今キャンプでは福永泰コーチ(45)に懇願し、居残りシュート練習を繰り返して決定力に磨きをかけてきた。

 仙台渡辺晋監督(44)は「拓真のは難しいゴールだった。1対1の抜け出し、難しい局面を打開してくれたと思う。もっとやれるので満足することなく取り組んでもらいたい」と評価。3日の東京戦からスターティングメンバーをDF大岩一貴(28)を除いて10人を入れ替えて臨んだ一戦。「試合は追いつかれるべくして追いつかれたがいい薬をもらった」と前を向いた。【下田雄一】