清水エスパルスは28日、御殿場市内で夏季キャンプをスタートした。オフを利用して帰国していたヤン・ヨンソン監督(58)は、家庭の事情で再来日が遅れていたが、この日から合流。早速、練習前の円陣では身ぶり手ぶりを交えて指示を出し、練習中も声を張り上げて選手を鼓舞した。初日は、前半戦の課題だった守備のクロス対応を確認。約2時間、指導した指揮官は「選手はハングリーに取り組んでくれた」と充実した表情を見せた。

 ヨンソン監督はオフ期間中にワールドカップ(W杯)ロシア大会をテレビで観戦。母国スウェーデンの戦いぶりを見て、組織力の重要性を再確認したという。「数年前まで選手1人に頼っていたが、今の代表は組織で戦っている。それは清水でも落とし込める部分」。ドイツ、メキシコ、韓国のF組を2勝1敗で首位突破した母国の活躍をヒントに、チームを強化する構えだ。

 FW鄭大世(34)も連日、W杯をテレビ観戦し、チームで戦う大切さを強調した。「組織力があるチームが強いと思った」。寝食をともにするキャンプでは、選手間で密にコミュニケーションを取れる。7月18日のリーグ再開戦に向け、清水がさらに結束力を高めていく。【神谷亮磨】